スターバックスに異変? 「居心地のよさ」追求のジレンマすごい差別化戦略(2/4 ページ)

» 2016年02月27日 06時00分 公開
[大崎孝徳ITmedia]

ブランドを守ることvs売り上げ拡大

 先日、学生たちと、このテーマについて話をする機会がありました。そこでは、「フードメニューを充実させてほしい」といった問題点も指摘されましたが、ブランドに関する意見が多く挙げられました。具体的には、「自宅近くのスーパーマーケットの中にスタバが入ったけど、こうした場所への出店はブランドイメージが低下するのでやめたほうがいい」という意見や、さらに厳しい学生からは「大型ショッピングモール内でも、イメージ低下につながる」との指摘もありました。

 プレミアム商品の研究でも、市場に枯渇感を与えることが重要であり、どこでも気軽に手に入る状態にはしないようにするべきとの指摘もあります。確かに、富山の環水公園や神奈川・鎌倉の御成町にある路面店は、スタバのイメージ向上に大きく貢献しているでしょう。

 しかし、そうした場所に限定しての出店となると、立地条件が大きく制限され、さらに出店に伴う費用や時間に関しても深刻な事態となります。また、出店チャンスがあるにもかかわらず、思いとどまれば売り上げ拡大のチャンスを逃すことになってしまうため、企業にとっては非常に難しい決断となります。

 「ファーストリテイリングがユニクロとGUを分けて展開しているように、スタバもモールに出店する店舗は別ブランド化させるべき」という学生からの意見もありましたが、別ブランドをうまく構築して定着させることができるかは、なかなか興味深いポイントです。

スターバックス鎌倉御成町店(出典:スターバックス公式サイト)

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