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» 2016年03月03日 08時00分 公開

国産初ジェット「MRJ」を購入したのは、どんな人物なのか世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

元カーレーサーのソーントン代表

(出典:三菱航空機)

 三菱航空機の発表資料によれば、ソーントン代表の略歴はこうだ。「エアロリース社の代表であるJep Thornton(ジェプ・ソーントン)は30年以上航空機リース事業に携わっており、航空機を扱うトレーダーやリース会社の約4000名をメンバーとする業界団体、ISTAT (International Society of Transport Aircraft Trading) の会長を務めた実績もある人物です(参照リンク)」

 56歳になるソーントン代表の航空機とのかかわりは幼少時代にさかのぼる。もともと航空業界で働いていた父親の影響で、10歳になるまでには飛行機の機体を見ただけで機種を言い当てるほどだったという。そして1977年にコネチカット州の高校を卒業すると、迷わず航空業界に飛び込んだ。38年ほど前のことだ。

 小規模な米航空会社に入り、ドイツのフランクフルト支店で乗客サービスの仕事などに従事した。そしてニューヨーク本社に勤務した後、カリフォルニア州などで航空会社を渡り歩いた。1989年には航空機売買を行う企業を立ち上げ、独立。2000年にはフロリダ州オーランドで「Automatic(オートマチック)」というやはり航空機のリースや売買を行う会社の共同設立者になっている。

 だがここで転機が訪れる。911米同時多発テロ事件だ。ご存じの通り、民間航空機2機がニューヨークの世界貿易センタービルに突っ込んで倒壊させた。このテロ事件によって、航空機リースや売買のビジネスは大打撃を受けた。

 そしてこの時期、ソーントン代表はクルマのレースに傾倒するようになる。「911以後に旅客機ビジネスが数年沈んだことで、私は暇になってしまったのです」と、彼は語っている。「そんなある日、レース場に企業を招待するイベントがあり、そこに参加して運転してみたらかなり上出来だった」と言い、それを機にレースにハマり、コーチを雇うなどしてクルマのレースに本腰を入れ始めた。

 そして、米人気カーレース「NASCAR(ナスカー)」に、自らドライバー兼チームオーナーとして参入するまでになる。実はソーントン代表は、元カーレーサーだったのである。

海外メディアもエアロリースがMRJを受注したことを大きく報じた。写真左が三菱航空機の森本浩通社長、右がエアロリースのジェプ・ソーントン代表(出典:Airliner World)

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