乙武氏に負けていない? 米国でも「5人と不倫」が大騒動に世界を読み解くニュース・サロン(4/5 ページ)

» 2016年03月31日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

ほかでは読めないような記事を掲載

 こうした報道から、識者の中でも、真顔で『ナショナル・エンクアイラー』にジャーナリズムでもっとも権威のある賞「ピューリッツァー賞」を与えるべきだと言う人もいる。それ以外でも、著名な牧師の隠し子を明らかにしたり、タイガー・ウッズの不倫や、メル・ギブソンやビリー・ジョエルなど数多くの離婚をスクープしたり、ホイットニー・ヒューストンの遺体写真を掲載している。こうしたスクープは枚挙にいとまがないが、一方で、スターから訴えられるケースも少なくない。

 今回2016年の選挙でも、同紙はほかでは読めないような記事をいくつも掲載している。2月29日号では「あなたの知らない大統領候補たち」という大統領選特集を組んでいるが、選挙戦を戦う候補者らを、同紙はどんなふうに“料理”しているのか。

 例えばヒラリー・クリントンについては、「女性の味方」を売りにする彼女が、夫ビル・クリントンに襲われたと主張している女性たちについて、話をもみ消そうとしていると報じている。クリントンの元側近に取材し、ビル・クリントンから性的暴行を受けたとする女性たちのうち2人を実名・顔写真入りで紹介している。

 対抗馬であるバーニー・サンダース上院議員については、彼が過去にフリーライターとして書いた小説のような文章をスクープされている。当時サンダースはSMの描写を書き、「女性は同時に3人の男性に強姦されるのを想像した」と描写したり、「児童たちはお互いの性器を見たり触ってもいい」といった文章も書き残していると、写真入りで報じている。さらに彼が「本物の変態だ」と指摘する関係者のコメントも紹介している。

 テッド・クルーズについては、今回の不倫疑惑以外に、妻が2005年に酔っ払って高速道路の脇の草むらに座っているという奇行で警察の厄介になっていた一件について報じている。また、すでに選挙戦から撤退しているが、マルコ・ルビオ上院議員については、彼が若いころに同性愛者のパーティーに参加している写真や、夜の公園で逮捕された起訴状を掲載している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.