今回の決算を受けて、同日に東京本社で会見した豊田章男社長は「これまで数年間は為替の追い風による参考記録の部分が多かった。その風が止んだことで自分たちの等身大の姿が見えてきた。今年は意志の強さや覚悟が試される」と述べる。
その意志の表れの1つが、今年4月から製品群ごとに7つのカンパニー体制に組織改編したことだ。豊田社長は「“もっといいクルマづくり”の原点である製品を軸に、より自立した小さなカンパニーに分けることで、それをもう一歩前に進める」と強調する。
その狙いは1000万台という販売台数の確保だ。「今までのセオリーがこれからのセオリーにはならない。600万台のときの仕事の進め方と、1000万台のときの仕事の進め方は違ってくる」と豊田社長は説明する。仕事の進め方を変革するためには組織を変える必要があったのだという。
「以前はトヨタは“機能”の力が非常に強く、それをもって成長してきた。しかし組織が拡大し、機能間の調整が増える中で、意志決定の実行やスピードが遅くなってきたと実感している。カンパニー制に変えることによって、責任のある立場のリーダーが、より現場に近いところで物事を決めていくことで、大きなオポチュニティを生むだろう」(豊田社長)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング