業界首位を守り続けるマツキヨの“強み”とは高井尚之が探るヒットの裏側(2/3 ページ)

» 2016年06月06日 08時00分 公開
[高井尚之ITmedia]

次世代型店舗「マツキヨラボ」で、美と健康を深堀り

 ヘルス&ビューティーケア商品に力を入れることで売り上げを伸ばしてきた同社はいま、さらにその分野を強化している。

 2015年9月、千葉県松戸市にある「マツモトキヨシ新松戸駅前店」で新たな取り組みが始まった。ヘルスケアやビューティーケアのサービス機能を充実させた複数のエリアで構成する「マツキヨラボ(matsukiyo LAB)」を併設したのだ。改装前の同店を訪れたこともあるが、以前に比べてスタイリッシュな雰囲気となった。

 店内の「ヘルスケアラウンジ」と呼ぶ一角では、調剤薬局を備えるほか、来店客が骨の健康度チェックや血圧測定、体重測定を無料で行える場所もある。検体測定室では有料メニューで、血液検査や口腔内環境チェックなどの検査も受けられる。

 「調剤の待合室も従来のスタイルではなく、患者さんがストレスを感じずにお待ちいただけるよう、くつろぎ感をテーマに空間デザインをしました。また、サプリメントバーもあり、常駐する管理栄養士がお客さまの食生活や生活習慣をお聞きしてカウンセリング。不足しがちな栄養素を見出して、その方に最適なサプリメントを分包して提供するオーダーメイドのサービスを行っています」(高橋氏)

 マツキヨラボはコトづくりだけではなく、商品ブランドとしても提唱する。同社の管理栄養士が成分レシピの監修にも関わったPB商品として、「グルコサミン」「濃縮ウコン」「マルチビタミン&ミネラル」などのサプリを16品目展開する。この十数年で、一般の人が手軽に摂取するようになったサプリだが、食生活に合った摂取方法を専門家がアドバイスすることで、増加傾向にある健康志向の消費者を取り込んでいる。

 これ以外に「ビューティーケアスタジオ」もあり、肌チェック機を導入して、顧客1人1人に合ったカウンセリング体制を高めた。併設したネイルサロンも人気だという。

 「リニューアル後の新松戸駅前店の売上高は2割増となりました。2016年4月29日には『マツモトキヨシ本八幡駅前店』がリニューアルオープンし、こちらにもマツキヨラボを併設。さらにサービスが充実し、専門性に磨きをかけて訴求しています」(同)

photo 新松戸店のヘルスケアラウンジ

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