私が愛さずにはいられないパグの話内田恭子の「いつもそばに本があった」(3/3 ページ)

» 2016年06月15日 08時15分 公開
[内田恭子ITmedia]
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 足を横に投げ出して、我が家の一番の気持ちの良い場所(時間によって変わる)にぼーっと座っていたり、ブーブー言いながら顔を舐めてきたり、誰よりも大きいいびきをかきながら13年間一緒に寄り添って寝てくれたり。疲れているときも、辛いことがあったときも、何だかフフッと笑わせてくれる存在なのです。

 子どもたちに馬乗りになられても、無理やりキスをされても、決して怒ったり、噛んだりしないトッド。ただ面倒くさそうな顔をしてトコトコと逃げていく。けれども、子どもたちが寝るときは彼らの部屋で誰よりも早くスタンバイし、朝起きると私たちのベッドに移動してきている。愛さずにはいられません。

 自分を犬とは思っていない犬、パグ。この本はいびきをかき、ぶうぶう鳴き、毛を落とし、ソファの一番良い場所を生まれつきのように知っている、おもしろい小さい生き物へのラブレターと語っています。パグは何か特別な仕事ができるわけではありません。何かを追跡したり、捕獲したり、ボールさえ気分が乗ってないと取ってこないのですから。そんなパグの仕事は、何世紀にもわたって愛されること、それが仕事だと記されています。パグだからこれで許されるのでしょう!

 最後に。この本の所々にウィリアム・シェークスピアの『ソネット』の一部が引用されています。

 To me, fair friend, you can never be old

 For as you were when first your eyes I loved,

 Such seems your beauty still

 まさにpug lover によるpug loverのための一冊です。ほら、皆さんもパグを愛くるしく思うようになってきたのでは?(笑)

著者プロフィール

内田恭子(うちだ きょうこ)

キャスター。1976年6月9日、ドイツ・デュッセルドルフ生まれ。神奈川県横浜市出身。1999年、フジテレビ入社。同局のアナウンサーとしてさまざまな番組を担当後、2006年に退社・結婚。現在はテレビ・ラジオ・雑誌連載・執筆活動などをベースに、読み聞かせグループVOiCEを立ち上げ都内の小児病棟などで読み聞かせを行い、また「女性のHappyは世界を変える」をテーマにLena’sを主宰し日々活動を行っている。公式ブログ「Dear Diary,」

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