そしてもう1つ、本当のターゲットがしっかり意識できていれば、仕事に差が生まれる。細やかに仕事相手のことを見られるようになるからだ。
こんなことを語っていた秘書の女性がいた。彼女は会議資料ひとつとっても、必ずターゲットを意識していた。
目的はもちろん、誰が出席者になるのかも理解しておく。そうすると、準備しておかなければいけないことがイメージできる。例えば、社長クラスの集まりと、会長クラスの集まりでは、資料づくりを変えるという。
何が違うのか。例えば文字の大きさ。社長世代なら60代も多いが、会長世代となると70代。視力の衰えを考えると、文字はできるだけ大きいほうがいいわけだ。
小さなことである。しかし、これだけでも受け取る側はストレスがなくなる。分かる人には、間違いなく評価される。こういうところで、評価の差は生まれているのだ。
小さな気遣いひとつが、「違い」を生む。それは「ターゲット」への意識が大きなヒントになる。
1966年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学商学部卒業後、リクルート・グループなどを経てフリーランスのライターとして独立。最前線のビジネス現場から、トップランナーたちの仕事論を分かりやすく伝えるインタビューを得意とする。雑誌や書籍などで執筆するほか、取材で書き上げるブックライター作品も70冊以上に。取材相手は3000人を超える。
著書に『やり直し・差し戻しをなくす できる人の準備力』(すばる舎)『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』『なぜ気づいたらドトールを選んでしまうのか?』『なぜ今ローソンが「とにかく面白い」のか?』『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』『職業、ブックライター。』など。
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