もちろん営業としては、顧客に満足してもらうことが大事になるわけだが、ここで間違えてはいけないのが、ターゲットである。満足してもらわないといけないのは、実際にPCを使う社員ユーザーだからである。
それこそ、いくら窓口の総務担当に喜んでもらえたとしても、実際に使うユーザーたちがそうでなかったら、どうなるか。その声はやがて社内で総務担当に突きつけられることになるだろう。実際のユーザーから不満の声が上がっているとしたら、総務担当と円滑な取引が続けられるかどうか。
逆に、このことが分かっていれば、仕事は一気にしやすくなる、とトップセールスマンは語っていた。窓口となる総務の担当者に、もう売り込む必要がなくなるのだ、と。
どういうことか。総務の担当者は、なぜPCを購入するのか。それは、ユーザーに満足してもらうためなのだ。実はこれは、トップセールスマンと利害が一致するのである。総務の担当者も、セールスマンも、本当のターゲットであるユーザーに満足してもらうことこそが、仕事の目的なのである。
ここに気付けると、どうなるか。総務の担当者にとって、セールスマンは仕事の「同士」になるのである。自分がいい仕事をすることを助けてくれる、大事な存在になっていくのだ。なのに、邪険になどするはずがない。これこそが、売り込まなくてもいい、という理由なのである。
本当のターゲットが見えてくれば、そのターゲットを満足させることを一緒に考える関係になれるのである。取材では、こんな表現が使われていた。
「向かいに座るのではなく、隣に座る関係」
総務の担当者は、向かい合って取引をする関係なのではなく、隣に座って一緒にユーザーの課題を考える関係になるということだ。
となれば、ユーザーにどう満足してもらうかについて、相談もやってくるだろう。より良い提案も求められてくるだろう。
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