世界のトップリーダーは、どんな休暇を送っているのか世界を読み解くニュース・サロン(1/5 ページ)

» 2016年08月12日 07時39分 公開
[山田敏弘ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


オバマ大統領はマーサズビンヤード島で休暇を過ごす(出典:トリップアドバイザー)

 8月7日、米国のバラク・オバマ大統領が夏休みに入った。

 オバマは、家族とともにマサチューセッツ州の人気保養地マーサズビンヤード島で休暇を過ごす。オバマ家は同島をかなりお気に入りのようで、毎年のように休暇に訪れ、ゴルフやサイクリングなどを楽しんでいる。

 もちろん、米国にいつ何が起きても対応できるように、休暇中も国家安全保障担当のスーザン・ライス大統領補佐官などが同島に滞在している。ちなみにオバマは休暇に大統領専用機エアフォースワンを使うが、同機を飛ばすのには1時間で20万ドル以上のコストがかかる。だが世界最強国のトップリーダーたるものは、しっかりと休暇を取るのも仕事のうちなのである。

 オバマに限らず、世界の指導者たちは一体どんな休暇を過ごしているのだろうか。

 休暇で最近話題になったといえば、カナダのジャスティン・トルドー首相だ。まだ43歳のトルドーはフットワークが軽いようで、メディアでは、首相がここ2週間の休暇中にあちこちに出没して一般観光客のSNS写真などに登場していると、面白おかしく報じている。7月末から東部ケベックで休暇を過ごしたトルドーは、観光地の洞窟(どうくつ)で上半身裸で歩いているのを一般客に見つかって一緒に写真に収まっており、その姿が話題になった。

 さらに8月初旬には西部ブリティッシュ・コロンビアで、トルドーがホエールウォッチングに参加しているところを発見されている。そこでも写真撮影に応じ、それがFacebookにアップされたことでニュースになった。またパーカーとキャップ姿でショッピングしている姿もネット上にアップされている。

 するとその数日後、ブリティッシュ・コロンビアのビーチでウェットスーツを半分脱いだ上半身裸でサーフボードを抱えて歩くトルドーの姿が、一般人のビーチウェディング写真の背景に写り込んでいたことが発覚。地元メディアでは、「レアなポケモンでなく首相があちこちに登場」や、「トルドーの驚くべき出没ぶり」などと書かれたりしている。

 トルドーは2016年5月に伊勢志摩で行われたG7伊勢志摩サミットの際も、オフをとって同行した妻と11回目の結婚記念日を祝うためにプライベート温泉のある旅館で1日を過ごした。トルドーは「こうしたワークライフバランスは、自分の国への貢献で最善を尽くすために基本的なことだと、私は繰り返し述べている。私たち皆が、ワークライフバランスを維持できるよう引き続き実行していくつもりだ」と語っている。

 ちなみにカナダは、首相のこうした公私混同には敏感で、カナダ地元紙はオフの費用は「自腹」であるとはっきりと報じている。

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