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» 2016年08月12日 06時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:てんやが天丼チェーンとして“唯一”全国展開できた理由 (3/5)

[長浜淳之介,ITmedia]

米、油、粉へのこだわり

 てんやの顧客層は50〜60代が3割と多く、天ぷらの下に敷く和紙にべったりと油が染み込むような油切れの悪い状態で商品を提供すると、胸やけを起こす人も増えてくる。そこでてんやでは、高温で揚げた後、油切りもオートフライヤーの工程で必ず行っている。素材のメインを張る海老は、一般的に安価な天ぷらを売る店は、最も安いバナメイエビに加水加工をして、細胞をパンパンに膨張させたものを使っている。なので、食感がプニョプニョとして水っぽい。

 一方、てんやのエビは大型のブラックタイガーを使っているので、身の締りが違う。しかも、川の淡水と海水が混じり合う、マングローブの茂った汽水域に水門をつくって、ストレスの少ない自然に近い環境で海老の養殖を行っており、天然のプランクトンを餌にのびのびと育てられているので質も良い。

 こだわっているのはメインのエビだけではない。一杯の天丼の満足度を高めるために、米、油、粉に関しては徹底した改善を行った。

 例えば米は、炊いたご飯を丼に盛るときに、ベチャッと押し付けてしまうと、風味が損なわれ、タレも行き渡らない。経験の足りないアルバイトだと、どうしてもご飯の盛り方が雑になりがちだ。

 そこで、すしロボットで著名な鈴茂器工の自動飯盛り機を導入し、誰でもご飯の最適な保管ができ、ふっくらと正確な分量を盛れるように改善した。それによってアルバイトは天ぷらをトッピングして満遍なくタレをかける作業に、専念できるようになった。ちなみに、てんやの天丼のタレは、しょうゆがベースになっているが、かくし味で鰻のエキスがブレンドされており、ご飯との相性が高められている。

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