納品や清掃といった1つ1つの作業を軽減・分散できるようになったので、深夜にそれらをやらなければならない理由がなくなった。ということは、お客さんの増減に合わせて店を閉めることも可能になったと言えるのではないだろうか。
店にもよるが、筆者の経験則で言うと、深夜帯(23時〜5時)の売り上げは全体の5%前後だ。例えば、1日の売り上げが50万円の店なら深夜帯の売り上げは2万5000円ほど、1カ月で75万円となる。粗利益を多く見積もっても30%の22万5000円、本部と利益を分配したら半分になる。
必要経費も考えなくてはならない。最もかかるのは人件費だ。深夜帯の時給は通常の25%増しとなり、防犯上の理由から最低2人は配置しなくてはならない。アルバイトの時給が仮に1000円だとすると、1カ月で約36万円。光熱費などを考慮しなくてもこれだけで赤字なので、深夜に店を開ければ開けるほど赤字が膨らんでいくのだ。
このほかにも、深夜営業の束縛から逃れると生まれるメリットがある。24時間営業の店は、アルバイトが突然休んだりするとオーナー店長の寝る時間がなくなってしまうが、24時間営業から開放されれば、昼間の人員不足で丸1日店にいたとしても睡眠時間が確保できる。
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