インタビュー
» 2016年10月29日 09時00分 UPDATE

大ヒット小説「戯言シリーズ」が、あえて「OVA」でアニメ化されるワケ (3/3)

[青柳美帆子,ITmedia]
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“原作もの”が成功する条件とは?

 数多くの小説や漫画をアニメ化してきた岩上さん。原作ものアニメが成功する条件はなんだろう。

 「いいアニメになる最低条件は、監督やプロデューサーが作品を嫌いではないこと。ただ、どれだけ好きでも、作品が成功するとは限らない。業界全体として“原作ファンに楽しんでもらおう”ということを目指すようになっているが、それがかえって重圧になることもある」

 “原作に忠実に”と言うことは簡単だが、実行するのは難しい。特に小説だと、読者の想像力にアニメ映像がついていかないこともある。

 「読んでいる人の頭の中に広がっている光景は、1人1人違う。『原作小説と同じように面白いね』と言ってもらうためには、小説のフレーズをただ映像にするだけではなくて、読者の感じたイメージを再現する必要がある」

岩上さんは数々の大ヒット作品を生み出してきた

 また、アニメは集団制作であり、間に脚本家やコンテマンといったクリエイターが介在するものだ。“流れ制作”だと、気付かないうちに変わってしまうことも起こる。

 「ヒロインの『そうだけれども』という口調が、『そうだけど』に変わってしまうことが、アニメの制作では起こりやすい。でも、その細かな部分も含めて、ファンが愛しているキャラクター。原作と絵コンテの間を、“細部を落とさずにつなぐ”機能がしっかりしているチームがあるから映像にできる」

 OVA「クビキリサイクル」のメインターゲットは、かつて本作を読んでハマった20代〜30代の男女。アニメ作品のプロモーションは、基本的に本編のテレビ放送自体が宣伝になる性質があるため、OVAは不利になりやすい。その代わりに、プロモーションビデオやCMの露出を増やし、Web広告も展開し、周知を進めている。

 西尾維新さんが「キャラクターコメンタリー(副音声で、作中キャラクターが実際に実況しているようにトークするもの)」を書き下ろし。映像商品としての価値を高めるとともに、コレクター心をくすぐる全巻購入者特典も用意している。

 「『クビキリサイクル』は、〈物語〉シリーズとはまた違った面白い映像で、魅力的なキャラクターがたくさん出てくる。原作既読の方にも、そうでない方にも楽しんでもらえる作品になった」

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