近年、地域の食材、名産品を取り入れた「地域限定商品」を提供する企業が増えている――。
キリンビールは2015年5月に、地域ごとに味の違う「一番搾り生ビール」を販売。全国各地でワークショップを開き、地元の人たちと共同開発した“ご当地ビール”は予定の約3倍を売り上げるヒットとなった。
また、ローソンは定番商品「からあげクン」の30周年を記念して、今年9月に地産食材を使った全12種類の「ご当地からあげクン」を各エリア限定で販売。牛丼チェーン「吉野家」は今年11月に、5つの地域ならではの食材を使った地域限定メニュー「ご当地鍋膳」を販売している。
江崎グリコも地元食材を生かした新商品「ご当地お土産ポッキー」を2月2日から販売し、地域限定商品を強化する。
新商品は北海道限定の「夕張メロン」(価格はオープン)、長野県限定の「信州巨峰」(同)、近畿地方限定の「宇治抹茶」(同)の3フレーバー。地元の農家と協力し、厳選した素材を使ったという。
各エリアの小売店、高速道路サービスエリア、駅構内で販売するほか、訪日観光客向けに空港の免税エリアのお土産店でも販売する。
同社はポッキーの他に、9つの地域でそれぞれ限定フレーバーを用意したスナック菓子「ジャイアントプリッツ」を販売しているほか、大阪・京都・福岡限定の高級版ポッキー「バトンドール」(栗・オレンジビター味)、北海道・新千歳空港限定の「ホームメイドキャラメル」など、30種類以上の地域限定商品を展開している。
同社が地域限定商品に注力するのは、商品に「プレミア感」を求めるユーザーへの対応だという。
「どこにいてもネットを使えば、何でもすぐに購入できる時代。“そこでしか買えないモノ”にはプレミア感(付加価値)が出るため、ユーザーから人気が高い」(同社)
JTBが実施したお土産に関する調査によると、ユーザーがお土産を選ぶ基準は「その土地に行かないと買えないもの」(26.4%)がトップとなっている。「プレミア感がユーザーの購買意欲をかき立てる」(同)として、今後も地域限定商品のラインアップを拡充させていく考えだ。
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