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» 2017年01月06日 12時43分 UPDATE

赤坂8丁目発 スポーツ246:RENAが評価されるべき、もうひとつのこと (4/5)

[臼北信行,ITmedia]

小学生のときに何度も自殺を考える

キックボクサーの立嶋篤史も、かつていじめに悩まされていた

 男子選手にもその昔、いじめに悩まされながらも乗り越え、格闘技の道に進んで「カリスマ」となったキックボクサーがいる。立嶋篤史だ。今年6月で46歳。現在は千葉県市川市内にジムを開いて後進の育成にまい進しているが、かつてはK-1ブームが起こる少し前の1990年代前半に全日本キックボクシング連盟認定のフェザー級タイトルを手にするなど「立嶋ブーム」を引き起こしたスター選手だった。だが彼もまた幼少時代、すさまじいいじめを受けて小学校時代に本気で自殺を何度も考えたことがあったという。

 しかし中学になってキックボクシングと出会ったことがターニングポイントになった。強くなって、自分を変える。そして周りを必ず見返す。そういう信念のもと、習志野ジムに練習生扱いとして入門。その後、中学卒業と同時に単身タイへと渡り、現地でムエタイ修行に励んだ。最初は言葉も分からず、独特の文化にもなかなか馴染めず苦労の連続だったが、「もう後戻りはできない」と言い聞かせ、ムエタイ式の厳しい練習法で自分を追い込んだ。

 これが立嶋のハングリー精神の礎となったのである。帰国後、プロデビューし、次々と強豪をなぎ倒していった姿は多くのファンや格闘家を魅了した。後にK-1で一時代を築いた魔裟斗が立嶋に以前から強い尊敬の念を抱いており、お笑い芸人・ダウンタウンの松本人志も立嶋の熱烈なファンであることは関係者の間で知られている。

 立嶋もまた、いわゆるいじめられっ子たちに勇気を与える“キラ星”だった。このまま黙っていじめられっ放しになり、屈してしまうのではなく乗り越えるために負けない努力をするのだ。そういうネバーギブアップの精神を立嶋はリングから自らの魂のこもった熱い戦いぶりで身をもって彼らにアドバイスしていたのであろう。

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