ボロボロになりながらも、引退しない松坂大輔の末路赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2016年10月05日 14時45分 公開
[臼北信行ITmedia]
松坂は最後の最後でチャンスをもらったが……(出典:福岡ソフトバンクホークスの公式Facebook)

 かつて日米を沸かせた怪物伝説も、とうとう終焉(しゅうえん)の危機を迎えてしまった。福岡ソフトバンクスホークスの松坂大輔投手が10月2日、今季レギュラーシーズン最終戦の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でマウンドに立った。一昨年のオフにメジャーリーグから8年ぶりとなる国内復帰を果たしたものの不調やコンディション不良が重なり、ここまで一軍昇格は一度もなし。やっと移籍2年目にして最後の最後でチャンスを与えられたが、8回1イニングのみの登板ながらも3安打4四死球5失点と見るも無残な内容に終わった。

 「結果の良し悪しに関わらず1軍で投げられたのは良かった」

 試合後、報道陣に囲まれた右腕はこのように前向きなコメントを残した。しかし、その言葉が本心であったとは到底思えないし、思いたくもない。もし仮に「良かった」と心の底から感じているとしたら、松坂大輔は今すぐにホークスへ引退を申し出るべきである。

 この日の投球はかつて「平成の怪物」と呼ばれた超一流投手のピッチングからかけ離れていたどころか、とてもプロのレベルとは言えないひどい内容だったからだ。だからこそ普通に考えれば本人は「申し訳ない」の言葉のみに終始し、ここまで続けてきた現役生活に諦めがついても何ら不思議はなかった。

 今季は3年契約の2年目で確かに契約はあと1年残されている。それでも自ら来季の年俸を返上してユニホームを脱ぐ道を選べば、まだ格好は付くはず。だが松坂はそういう空気感に逆らうかのごとく「(二軍ホームグラウンドの)筑後に戻って、またがんばる。そして来年に向けてイチから作り直したい」と述べ、現役続行に強い意欲を見せていた。

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