国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
ああ、やっぱりな。おそらく大半の人が、そう思ったに違いない。福岡ソフトバンクホークス・松坂大輔投手のことである。14日にマツダスタジアムで行われたウエスタン・リーグの広島カープ戦で先発登板マウンドに立ったものの大乱調。わずか1回2/3しか持たず、7被安打、3四球、9失点と目を覆いたくなるような数字でベンチに下がった。
これで早ければ来月中と見込まれていた一軍合流は白紙に差し戻され、一転して再び見通しが立たない状況となった。しかも松坂はこの試合中に右手指先の抑えが利かないことを訴えており、16日には精密検査を受けたが、近々明らかになる結果次第ではまたしても長期のリハビリ生活を強いられる可能性もある。
しかし、もう正直に言って別に驚くこともない。このニュースに関するネットユーザーたちからの反応にも辛らつな声だけではなく「最初から予想していたこと」「もう、いい加減にしてほしい」などと半ば呆れ果てているかのようなコメントが数多く散見した。
それはそうだろう。「平成の怪物」の異名を持つ右腕はボストン・レッドソックス、ニューヨーク・メッツなどメジャーリーグで8年間プレーした後、2014年12月にソフトバンクと契約。9年ぶりの日本球界復帰でファンを大きく期待させたが、その華々しい姿を見せなければならないはずだった昨シーズンは一度も一軍のマウンドに立つことができなかった。
この復帰1年目はオープン戦で結果を残せなかったばかりか開幕後も二軍のマウンドで乱調の連続となり、ついには右肩の異常まで発覚。昨年8月に内視鏡による「右肩関節唇及び腱板クリーニング術」「ベネット骨棘切除術」「後方関節包解離術」を受け、リハビリ期間に約6か月もの時間を要した。
チームから離れて日本よりも環境が整っていることを理由に家族の住む米国本土、さらにはハワイで“VIP待遇”のリハビリまで行った。そういう過程を経て満を持しての復帰イヤーとなるはずだった2016年。今年に入ってから、すぐに自主トレを公開した松坂は満面の笑みを浮かべながら「ボールを投げることに対して不安、痛みがない感覚は米国に行った年(2007年)以来ですかね。自信もそうですし、医学的には100%(投げられる)。安心してキャンプに臨めます」と自信満々に言い切っていた。
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