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» 2016年05月19日 07時39分 公開

赤坂8丁目発 スポーツ246:何もできない松坂大輔を、孫正義オーナーが見捨てない理由 (3/4)

[臼北信行,ITmedia]

孫オーナーの「心の残り」

 「球団、そして親会社の中では“腐っても松坂”という考えが浸透している。特にオーナーは、その思いを強くしているのです。実際に松坂獲得に対してゴーサインを出したのは、他ならぬオーナーですからね。莫大な費用を捻出し、巨額契約を松坂に提示したのもオーナーの鶴の一声があったから。オーナーの心中にはたとえどんなに追い詰められようとも、松坂は必ずや不死鳥のごとく蘇るはずという強い信念がある。日本球界の功労者が、こんなつまらない形で終焉(しゅうえん)を迎えて欲しくはないと願っているのです」

 これに補足するならば、孫オーナーは過去に1つの「心の残り」があるからこそ松坂を何としてでも再生させなければいけないという思いに駆られている。松坂と同じ右肩にメスを入れ、現役を引退した斉藤和巳氏についてだ。同氏はホークス一筋で活躍し、沢村賞を2003年と2006年にパ・リーグ史上で初となる2度の受賞を果たすなど日本球界を代表するエース投手として一時代を築いた。ところが2006年オフから古傷の右肩痛が深刻化し、2008年春に右肩腱板修復手術を行った後は長きに渡ってリハビリ生活を強いられた。

 一軍での復帰登板がまった見えない状況であったものの、球団側は3年契約(総額7億5000万円プラス出来高)の切れる2008年の翌年以降も斉藤氏との契約を更新。2009年は年俸2億円、さらに翌2010年も年俸1億2000万円とリハビリ期間中の選手としては異例の好待遇を用意して復活をサポートした。これも「チームにこれだけ貢献してくれた男を簡単に捨て去るわけにはいかない」とする孫オーナーの強い意向からだった。

 斎藤氏は2011年に支配下選手登録から外れ、この年から三軍リハビリ担当コーチとして新たに球団と契約を締結。球団側はコーチ契約とはいえ、現役復帰が可能になった時点で選手契約を再締結する方針まで示していた。しかし結局、2013年7月に斎藤氏が復帰を断念――。前出の関係者は、こう続ける。

孫社長=決算説明会のライブ配信より

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