列車番号に、始発駅に、発車時刻に……。時刻表には乗り物に関するさまざまな情報が盛り込まれているが、いったいどのようにしてつくられているのか。前回『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)の大内学編集長に、時刻表ができるまでの話のほかに、できる編集者が注目している点などを聞いた(関連記事)。
次に気になったのは、創刊当時のこと。『JTB時刻表』は1925年(大正14年)に創刊されているが、当時はダイヤをどのように表示していたのだろうか。また、これだけは質問しなければいけない。現在、鉄道のダイヤはネットを使えば簡単に知ることができるが、紙の時刻表はどのようにして生き残りを図っていくのだろうか。ピンチをチャンスに変える方法はあるのだろうか。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
土肥: 『JTB時刻表』は1925年に創刊されたそうで。その年にどんなことがあったのかなあと思って調べてみると、キユーピーが国産初のマヨネーズを発売したり、作家の三島由紀夫が生まれたり、鉄道で言えば御徒町駅が開業したり。そのような年につくられた時刻表って、どんな感じだったのでしょうか?
大内: これを見ていただけますか。創刊号はこのようになっていました。
土肥: (見て)こ、これは……! いまのモノとほぼ同じじゃないですかっ。
大内: そーなんですよ。当時、他社の時刻表をみると、漢数字を使っているんです。
土肥: 「八時十五分」「八時二十分」「八時二十四分」……。当時の人は漢数字を読み慣れているかもしれませんが、これは見にくいですね。漢数字が一般的な中で、JTBの時刻表はアラビア数字を使われたのですか?
大内: はい、時刻表で初めてアラビア数字を使用しました。それまでの時刻表は漢数字を使って、ヨコに見るといった形でしたが、当社はアラビア字を使って、タテに見れるようにしました。いまの形は、このころから変わっていないんですよね。
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