「働き方改革」の機運が高まっている昨今、さまざまな企業が業務の効率化に取り組み、社員の負担軽減を図っている。その中で、人間の業務に大きく役立つと考えられているのが、人工知能(AI)などの最新技術だ。「機械学習」の技術を活用して会話ログやFAQなど膨大なデータをAIに認識させ、顧客対応や社内の課題解決に生かすことなど、AIにはさまざまな可能性がある。しかし、野村総合研究所の調査によると、最新技術導入の検討段階にある企業は多い一方、実際にこれらを活用して業務変革に成功している企業は、現時点ではまだ8%程度と少数だ(関連記事)。
こうした状況下で、既に社員のサポート役としてAIを取り入れ、業務改善を実現している企業がある。IT・通信大手のソフトバンクだ。同社は2014年末、日本IBMとコグニティブ・システム「Watson(ワトソン)」の独占契約に合意。膨大な自然言語を学習し、必要な情報を瞬時に取り出すことのできるWatsonを自社の社員のサポート役として導入することを決め、Watsonをベースにした独自の社内AIの開発を進めてきた。
構築に約1年を要したのち、満を持して16年7月に導入された社内AIの名は、「Softbank Brain(ソフトバンク ブレイン、以下 Brain)」だ。Brainは一体、業務をどう変革しているのだろうか。
Brainを開発したプロジェクト推進課の丹羽みずき氏は、「Brainは現在、法人営業部の社員のスマートフォンにアプリとしてインストールされており、営業担当者を中心に利用が進んでいます」と説明する。
Brainが備える機能は、「提案アドバイザー」、「Pepperアドバイザー」、「社員を探す」の3種類。法人営業部のメンバーはアプリを起動して使いたい機能を選択し、音声またはテキストでBrainに話しかけることでサービスが受けられる仕組みだ。
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