ヘッドハンターが語る、転職に成功する人、失敗する人転職を考える前にやるべきこと(3/3 ページ)

» 2017年04月20日 07時35分 公開
[高本尊通ITmedia]
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年収が下がっても、やりがいを優先

 さまざまな調査をみると、転職したい理由に「年収を上げたい」が上位にランクインしています。しかし、ヘッドハンティングの対象になるような優秀な人材は、実は年収だけを理由に会社を移ろうとはしません。私が担当したケースでも「年収が下がってもやりがいのありそうな職場」や「成長できそうな会社」を求めている人が多いのです。

 例えば、コンサルティングや金融業界で働いていて、30歳で年収1000万円を超えている人たちといえば、どんなイメージがあるでしょうか。「チャンスがあれば、年収の高い会社に転職したいと思っている」といったことを想像するかもしれません。しかし、私がお会いした人たちは違っていました。ほとんどの人が大幅に年収が下がっても、条件が悪くなっても、「やりがいがありそう」「成長できそう」な会社を選んで、転職しています。その後の状況を聞いたところ、多くの人がスキルアップにつながり成功していることが分かってきました。

40代の安易な転職はリスクが高い

 転職市場で、ヘッドハンターが注目するのは「年齢」と「転職回数」です。日本企業の多くは、年齢だと20代後半〜30代前半、転職回数だと0〜2回(経験社数でいうと1〜3社)くらいまでが好まれます。つまり30代後半や40代のビジネスパーソンが安易な動機で転職回数を重ねていくことは、非常にリスクが高くなるのです。

 繰り返しになりますが、「上司と合わないから」「年収が低いから」「やりがいが感じられないから」といったネガティブな理由で、すぐに転職活動を始めてはいけません。その前に、いまの自分にやれることは何か、やるべきことは何かを考え、その仕事に一生懸命に打ち込む。そうすると、いまの上司から高く評価されて、取引先からも注目されるかもしれません。そして、ヘッドハンターからお声がかかるかもしれません。

著者プロフィール:

高本尊通(たかもと・たかみち)

 1972年3月7日生まれ(45歳)。大学卒業後、大手総合人材会社に入社。大手特別法人営業グループ責任者を経て、ソリューションコンサルティング担当マネジャーとして活躍後、2004年、株式会社プロフェッショナルバンク設立に参画。これまで約7000人をヘッドハンティングするなど転職市場の現場に長く携わってきた。2012年にビズリーチ社の日本ヘッドハンター大賞MVP、同年から2年連続でリクナビNEXT AWARD MVAを受賞するなどし、16年にはビズリーチ社によるヘッドハンターランキングで約1500人中第1位を獲得している。


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