業績好調! 日高屋の「ちょい飲み」が成功した理由長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)

» 2017年04月25日 06時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

もともと「ちょい飲み」を想定していた

 なぜ日高屋のアルコール比率が高いのかというと、創業当初よりちょい飲みを想定した店舗作りをしてきたからだ。日高屋の多店舗展開が始まった2000年代初頭は若者の酒離れが騒がれ始めた頃。アルコールの売り上げが右肩下がりとなり、居酒屋は苦しくなると考えられていた。一方で同社は、深酒するよりもほろ酔い程度に飲むちょい飲みや一人飲みがトレンドになると読んでいたのだ。

 そこで価格帯は、ギョーザをつまんでビールを1杯飲み、ラーメンで締めても1000円以内に納まるように設定した。

 例えば、210円のギョーザ(6個入り)をつまみながら310円の生ビール(中ジョッキ)を飲み、390円の中華そばで締めても計910円である。110円のギョーザ(3個入り)、生ビール2杯、200円の半ラーメンで計930円という注文の仕方もできる。

photo 「ちょい飲み」を想定した価格設定(出典:ハイデイ日高)

 これにもう1〜2品のおつまみを足して、もう1杯飲んでも2000円を切る出費に抑えられる。お財布事情が厳しいサラリーマン、大学生でもデイリーに利用しやすい価格になっている。お酒は、ハイボール、酎ハイ、日本酒なども置いているが、300円前後で注文できるものが大半である。

 ちょい飲みに向いたメニューも充実している。枝豆、ポテトサラダなどのおつまみが170円からあり、ニラレバ炒めなどの定食も、単品として注文するとお酒の友になる。メンマとキムチとやきとり(ネギ和え)の三品盛り合わせは300円で、お得に感じられる組み合わせだ。

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