ホンダ、17年3月期営業益67%増 今期は減益予想販売台数が過去最高

» 2017年04月28日 21時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 ホンダが4月28日発表した2017年3月期の連結営業利益は、前期比67.0%増の8407億円だった。米国や中国を中心に、新型車や主力車種が好調。4輪車の販売台数は過去最高を更新した。

photo 16年12月に米国で発売した新型「CR-V」

販売台数が過去最高

 売上高は4.1%減の13兆9992億円。グループ全体の4輪事業の販売台数は6.0%増の502万8000台と伸長したが、円高による為替換算の影響などにより減収だった。

 営業利益は、販売台数の増加のほか、品質関連費用などの販管費の減少やコストダウンの効果、年金会計処理の影響などにより、大幅な増益となった。また、純利益は79.0%増の6165億円だった。

 4輪車の販売は米国と中国で好調だった。米国の販売台数は160万台を超え、過去最高。中国でも初めて130万台を超えた。「CR-V」「シビック」などが好調に推移した。国内販売は、前期並みの66万8000台。スポーツタイプ多目的車(SUV)「ヴェゼル」や軽自動車「N-BOX」といった人気車種の販売が安定していた。

 2輪車はインドがけん引。インドの生産台数は初めて500万台を達成した。

今期は減益予想

photo 会見したホンダの倉石誠司副社長

 18年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の14兆2000億円、営業利益が16.1%減の7050億円、純利益は14.0%減の5300億円の見通し。引き続き、販売台数の上積みを図る。為替レートの想定は1ドル=105円と、前期より3円円高に設定。為替の影響などにより、減益を見込む。

 4輪車の販売台数は1.0%増の508万台の計画。日本とアジアで増加を見込む。需要が旺盛な中国では、135万台の販売を目標に、供給体制を整える。現状では工場がフル稼働しており、19年に完成予定の新工場が稼働するまで生産台数を大きく増やせないが、「働き方を見直すことで増やすことができるように検討している」(倉石誠司副社長)。

 米国市場の景気は悪くないと見ているが、「インセンティブ(販売奨励金)が増え、競争は厳しくなっている」(同)。北米の販売台数は2.5%減を見込む。CR-Vや「オデッセイ」「アコード」の新型車に期待を寄せる。

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