「部下がやる気に満ちて、イキイキと仕事してもらいたい」 「部下に気づきを与えて、どんどんと成長してもらいたい」 「チームが明るく楽しく一丸となって、目標を達成し続けたい」――。このように考えている上司も多いだろう。
部下が仕事で結果を出せるかどうかも、あるいは、仕事に対するモチベーションのアップも、すべては上司にかかっています。
そのカギは何か? 「質問」です。それも上司から部下にする「質問」です。
以下は、仕事の進ちょくについて部下に質問するA社の部長の例です。皆さんの会社にもこのような上司の方はいませんか? 逆にもしあなたが部下をまとめる立場であれば、このような上司になっていないか確認してみてください。
上司: 例の仕事の進ちょくはどう?
部下: はい、進めてはいるんですけど、●●の部分がうまくいかないんですよね。
上司: あ〜、分かった。じゃあ、こうしておいて!
部長は、部下の話を聞いてはいます。しかし、話を具体的に掘り下げず、強制的な指示を出し、仕事を進ちょくさせることだけを優先してしまっています。これは部長が、部下を信頼していないがために起こる現象です。「どうせ、あいつがうまくできるはずがない……」。部長の中には、こんな気持ちがあるのです。
さらに、自身の成功体験から「こうすれば、うまくいく」という考えのもと、部下に一方的な指示を出してしまっています。部長が部下を“仕事の役割をこなす作業人”とみなしてしまっていることが原因です。
これでは、部下の仕事に対するモチベーションも上がらないどころか、結果を残すこともできません。
そもそも「人は自分なりに解決しようと思っている」ものです。仕事の出来不出来に関係なく、目の前の課題に対して、自分なりに解決したいと思うのが人間です。自分なりの思いや考えをもとに、解決したいと思っています。だからこそ、上司は部下に答えを与えてはいけません。上司がすべきことは、部下と一緒に考え、部下とともに問題を解決へと向かわせることなのです。
そこで求められるのが、上司の質問力です。
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