ブランド品特化「メルカリ メゾンズ」自動査定で簡単出品メルカリ姉妹アプリ第3弾

» 2017年08月21日 17時02分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 国内最大級のフリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリの子会社ソウゾウは8月21日、ブランド品に特化した“査定付き”のフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」の提供を開始した。ブランド品を撮影し商品状態を入力すると、「メルカリ」の販売実績や中古市場などのデータを利用して自動で査定を行う。

ブランド品特化の新アプリ「メルカリ メゾンズ」が登場。左=ソウゾウ松本社長、右=ソウゾウ原田執行役員

 「メゾンズ」のメインターゲットは、ブランド品の宅配買い取りや町の買い取り店を利用する35歳以上の女性。「メルカリ」は国内5000万ダウンロードを突破しているが、メインのユーザーは10〜30代。姉妹アプリの展開で新規ユーザーの獲得を見込む。3年以内に年間1200億円の流通高を目指し、約4425億円と言われる中古ブランド市場の中で存在感を出していく構えだ。

 「ソウゾウ」アプリの特徴は、(1)「メルカリ」や子会社が運営する「スマオク」の市場データなどを活用し、購入されやすい価格が自動で算出される、(2)「正面」「底面」「内側」など求められる写真の案内が充実している、(3)機械学習で画像から商品のブランド名、柄、形を判断できる、(4)「メルカリ」IDを使ってログインし、「メルカリ」との同時出品ができる――の4点。

 機械学習による柄や形のサジェストは、リリース時は「シャネル」「ルイヴィトン」のみ対応。今後対応ブランドを拡大していく予定だという。「メルカリ」と同じく、販売価格の10%がメルカリの手数料となる。

自動査定やガイド付きの撮影など、出品者にとっての利便性を上げる

 これまでメルカリにおけるブランド品の個人間取引は、売り手側にとっては「値段の相場や、購入者が求めている情報が分からない」、買い手側にとっては「本物かどうか心配」「高級品だからもっと状態が分かる写真がほしい」「型番や柄の名前で検索してもヒットしない」といった課題があった。ソウゾウの原田大作執行役員は「これらの課題を解決するのがメゾンズ。ブランド品に新しい流れを作る。いずれは世界でも愛されるマーケットプレイスを作りたい」と意気込みを見せる。

ジャンルに特化する姉妹アプリ

 ソウゾウが展開した「メルカリ」の姉妹アプリは、対面して取引する地域密着型の「メルカリ アッテ」が累計500万ダウンロード突破、本や映像作品などエンターテインメント領域に特化した「メルカリ カウル」はリリース後3カ月で100万品以上の出品があり、現在も安定して出品されているという。特定ジャンルに特化する姉妹アプリで、利便性を上げつつ、「メルカリ」プラットフォームの拡大を狙っている。

 では、なぜ姉妹アプリ第3弾が「メゾンズ」となったのか。ブランド品の二次流通に着目したサービスは、6月28日にスタートし翌29日にサービス停止したBANK社の「CASH」などがある。「CASH」も「メゾンズ」と同様、自動査定をアピールしていた。また、ブランドバッグのシェアサービス「ラクサス」などは好調で利用者数を伸ばしている。こうした動きが「メゾンズ」に与えた影響はあるだろうか。

 ソウゾウの松本龍祐社長は「競合の動きについて気にしてはいない。ソウゾウは、ユーザーの課題から逆算して、今求められている機能やサービスを探す。そのアイデアと市場の大きさを掛け算にして、実際にサービスとして開発するかどうか検討している」と話す。

「偽物」トラブルどうする?

 高級ブランド品の取り扱いには、偽物などのトラブルがつきものだ。もともとメルカリでは偽ブランド品被害にあった際、商品代金を返金するなどの補償を行っていたが、「メゾンズ」スタートに際し、さらにカスタマーサポートの体制を強化する。

 現在は東京・仙台・福岡の3拠点に250人のカスタマーサポートチームがいるが、今後は倍の500人に順次増員。700以上のブランド権利者、プロ鑑定士、警察や官公庁などとも協力する。また、AI(人工知能)など新技術の活用範囲を広げ、「これまでマンパワーに頼って対策をしていた部分があったが、テクノロジーに投資を進めて、新技術の活用で新たに出てくるトラブルに対応したい」(メルカリ山田和弘カスタマーサポート担当執行役員)という。

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