走り始めると、その瞬間から路面のとらえ方が穏やかなことが分かった。ステアリングを切ると極めて自然。演出もはったりもなく、思った通りにクルマを操れる。人は路側帯の白線の上を当たり前に歩けるが、クルマはそうではなかった。ライン1本の上にストレスなく軌跡を載せられるかどうかは「良いクルマかそうではないか」の分岐的になるような課題だったのである。そういう思った通りに操れる能力が大幅に向上していた。
緩やかなワインディングでも、アウトバーンの速度無制限区間を時速160キロで走る時も、それは変わらなかった。特に160キロからアクセルを全閉した時の挙動の落ち着きは見事で、前荷重が増えて路面の不整を拾い、進路がヨレることを見越して身構えていた筆者はちょっと肩すかしを感じたほどだ。普通のクルマは不安定になる局面である。
クルマ全体の印象は「緻密で硬質」と反対。筋肉のように「柔らかいのに力強い」。そして鋭敏でないのに自然で正確。シートのみならず足回りの印象もむっちりと密度感のある上質なものに仕上がっていた。おかげでSKYACTIV-Xに乗りに来たはずがシャシーばっかりに注意力が持っていかれる始末だ。
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