なぜあの商品は売れた? 行列研究所が謎に迫る
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» 2017年10月11日 06時00分 公開

長浜淳之介のトレンドアンテナ:なぜ高収益? 急成長する「ブロンコビリー」の戦略とは (2/4)

[長浜淳之介,ITmedia]

激安商法ではなく「ごちそう感」で勝負

 ブロンコビリーの店の中に入ると、まず目に入るのは、20種類を超える豊富な野菜が用意されたサラダバーだ。手前には赤いタイルと分厚い木のふたが印象的な、ご飯を炊く大かまどがある。続いて、真空パックに入ったステーキ用の肉が陳列されたショーケース、炭火で豪快に肉を焼くオープンキッチンの前を通って、席に着く。

 通常のレストランでは、売り上げを伸ばすために、できるだけ多くの座席をつくることを考えて設計するが、ブロンコビリーでは「炭焼き」「大かまど」「サラダバー」にスペースを使い、来店の瞬間から食欲が刺激される演出を施している。

 また、店内には調理風景を映すライブモニターも設けている。

 ブロンコビリーはコンセプトに「ごちそうレストラン」を掲げており、こうした“ごちそう感”を盛り上げるレイアウトが、集客効果を生んでいる。

photo 炭火で豪快に肉を焼くオープンキッチン

 なぜ、このようなスタイルにたどり着いたのか。

 ブロンコビリーは1983年、竹市克弘社長の父である靖公氏(現・会長)が名古屋市北区に1号店を出店。業容を拡大し、01年には56店に達したが、この年にBSE(牛海綿状脳症)問題が発生。順調な経営が一転し、53億円の年商に対して5億円を超える赤字と、38億円の借金を背負って倒産の危機に直面した。

 当時のブロンコビリーは出店を加速させるために低価格路線を取って、1700円あった顧客単価を970円にまで下げていた。コストを抑えるために炭火焼を鉄板に変え、サラダバーも廃止していた。安さがウリの激安商法だったのだ。

 しかし、今のままではこの危機を乗り越えられない。そう考えた竹市社長は、サラダバーと炭火焼をよりパワーアップさせた形で復活させ、ご飯も大かまどで炊くようにスタンスを変えた。

 この「ごちそう感」を演出するレストランへの転換が、店をよみがえらせ、今日に至る成長をもたらしている。現在の顧客単価は1650円となっている。

photo ステーキ用の肉が陳列されたショーケース

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