これから急増する英語教師を「警戒」すべきか世界を読み解くニュース・サロン(2/4 ページ)

» 2017年11月02日 08時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

本当に「珍しいケース」なのか

 まず理解すべきことは、アリソンが犯したような外国人のわいせつ事件はまれなケースだということだ。あくまで一部の外国人が起こしたことに過ぎないし、こうした一部の外国人のために、英語教育に傷がつくのは残念だと言える。

 聞くところによれば、アリソンは渋谷や六本木をしょっちゅう徘徊(はいかい)してナンパにいそしんでいたというから、かなりの「女好き」だったのだろう。

 また彼には前科があった。やはり都立高校に勤めながら、15歳の少女にわいせつ行為をして逮捕されていた。この事件は不起訴になっていたが、別のわいせつがらみの事件でも再逮捕されて罰金刑の有罪判決を受けていた。

 今回の逮捕後、アリソンは過去に40人の女性と関係をもったと発言したと報じられている上に、警察などには他の女子高生からの相談も来ているようで、今後さらに被害者が増える可能性はある。

 このニュースは英語でも報じられている。そこで、米在住の日本好き米国人男性に意見を聞いてみた。彼はまず「被害者」に疑問を呈し、「親はいったい何をしているのか。夜、六本木で高校生がうろついていて、見知らぬ外国人に声をかけられて知り合いになることが考えられない……しかも男性宅に1人で行くとは。性行為で済んだのは不幸中の幸いかもしれない」と言った。

 さらにこう続けた。「こういうニュースは外国人のイメージをおとしめる。他の在日外国人から見るといい迷惑だろうね」

 外国語指導助手(ALT)のプログラムに詳しい在日の英国人は、「この人は過去にも同じようなことをしていた。病気でしょう。それだけに、情報を共有していなかったのは問題で、これからの課題になるでしょうね」と話す。

 「ただ」と、この英国人は続ける。「日本人教師でもよくニュースになっているよね。これは外国人だから大きなニュースなの? ALTでも、こういうケースは本当に珍しいケースだと思うけど……」

 未成年者との性的行為で逮捕される日本人教師のケースは確かに多い。教え子に手を出すケースもある。アリソンのケースは、この英国人が言うように、本当に「珍しいケース」なのか。そこでこれから増えるJETプログラムを参考に見ていきたい。

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