ボイコット危機の平昌五輪で韓国が恐れる本当の“敵”とは世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2017年09月28日 07時00分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 北朝鮮が相変わらず騒動を続けている。

 ここ最近だけを見ても、7月4日、28日と続けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射し、8月29日と9月14日には日本の上空を超えて太平洋にミサイルを発射した。その間の9月3日には、6回目の核実験を断行している。

 こうした動きに対して、国連は経済制裁を強化。そして米国のドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と言葉の応酬を繰り広げている。トランプが「ロケットマン」「国民を飢えさせても殺しても意に介さない明らかな狂人」と挑発すれば、金正恩は逆にトランプを「精神に異常を来した米国の老いぼれ」「おじけづいた犬がさらに騒がしく吠えている」とやり返している。

 この「ロケットマン」と「老いぼれ」の口げんかはあまりに子どもじみており、もはや笑えない状況にある。そして今、そんな朝鮮半島情勢の不安定化が新たな問題を生んでいる。

 韓国の平昌で2018年2月に開催予定の冬季五輪に、不参加国が出る可能性が報じられたのだ。さらに情勢が悪化することになれば、開催すら危ぶまれるとの声もあり、スポーツの祭典に深刻な問題を及ぼしかねないと懸念されている。ただ平昌五輪は、実は北朝鮮情勢による懸念のみならず、別の側面からも問題が起きているようだ。開催まで半年を切った今、平昌五輪を巡る現状を見ていきたい。

photo 平昌五輪の開催まで半年を切った。現状と懸念とは……(出典:平昌五輪公式Webサイト
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