先日、マクドナルドに行ったら、あの「人生ゲーム」がハッピーセットになっていて驚いた。
11月17日からスタートした「オリジナルパーティーゲーム」というキャンペーンのひとつである「マクドナルドクルー 人生ゲーム」は、新人バイトがスマイルを集めてマネージャーや店長へランクアップを目指すという趣旨で、小さいながらもお馴染みのルーレットも付いている。
マスの内容もマクドナルドらしく、「i'm lovin' it!と言えたら、5スマイルもらう」なんてものから、「ビーフパティ(お肉)を入れ忘れる」「たまごを手で割るのに失敗する」なんてネットで時たま見かける「リアルミス」まで含まれている。
他にも、マクドナルドのキャラを使ったUNOやフィンガーツイスターもあり、24日からは、黒ヒゲ危機一髪のドナルドバージョンも登場するという。
いろいろユニークな取り組みをしているのは分かったけど、大の大人がそんなに大騒ぎするような話でもないだろ、という声が聞こえてきそうだが、これらのパーティーゲーム、実はそんなにバカにできたものではない。
ご存じのように、マクドナルドは現在、例の中国の期限切れナゲット騒動や、異物混入騒動で落ち込んだ客足を取り戻してV字回復を果たしたと注目を浴びているが、その原動力となったマックの「意識改革」が、「人生ゲーム」などこれらパーティーゲームに如実にあらわれているからだ。
結論から先に言うと、それは「ユーザー目線」である。
今年で30周年迎えるハッピーセットはこの10年あまり、ポケモン、マリオ、プラレール、プリキュア、リカちゃん、妖怪ウォッチなど人気キャラクターの「おもちゃ」と相場が決まっていた。
言うまでもなく、これらの人気キャラは子どもの大好物。「早くしないと欲しいのがなくなっちゃう」とお子さんにせがまれ、マックに連れていかれるお父さん、お母さんも多いことだろう。そういう意味では、子どもを「ターゲット」にしていることは間違いないのだが、果たしてこれが「ユーザー目線」の施策なのかというと疑問がある。確かに子どもはハッピーだが、親は遊ぶ我が子を見るしかない。おしゃべりを楽しみたいママ友には、与えておけばいいという便利グッズではあるが、この手の「食玩」は競合店はおろか、お菓子にだって付いているし、なんならガチャガチャでも事足りる。マックのユーザーでなくても成立してしまう「楽しさ」なのだ。
むしろ、妖怪ウォッチがブームになれば妖怪ウォッチグッズ、スター・ウォーズが公開されるとなれば、R2-D2なんて調子で、「いまはこういうのがキテるんでしょ」というプロダクトアウトが強い施策である。
日本人が「通勤地獄」から抜け出せない、歴史的な背景
なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
無資格検査 日産の社長が「謝罪」をしない理由
「ウィルキンソン」がバカ売れしている本当の理由
「石原さとみの眉が細くなったら日本は危ない」は本当かCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング