しかし、「人生ゲーム」などのパーティーゲームは違う。
「無添くら寿司」にある空いた皿を入れるゲーム「ビッくらポン!」のように、ハッピーセットを購入したグループ全員が「参加」して楽しめるので、人気キャラのファンや子どもだけにターゲットを狭めていない。
妖怪ウォッチが好きだとか、プリキュアが好きだとか、子どもだ大人だと関係なく、マックを訪れた人にハッピーな時間を過ごしてもらう、ということになによりも重きを置いたその名のとおりの「ハッピーセット」となっているのだ。それを象徴するのがこのキャンペーンを紹介したトレイマットにデカデカと記された以下のコピーである。
「大人のあなたもゲットしよう! みんなで盛り上がれるハッピーセット!」
もちろん、今回は30周年記念のイレギュラー企画っぽいので、これが終わればまた定番の人気キャラのオモチャになるのだろうが、現在のマクドナルドが「とにかくマクドナルドというものを楽しんでもらおう」というユーザー視点が強いことは、上席執行役員 マーケティング本部長の足立光氏のインタビューからも読み解くことができる。
足立氏は、山本七平氏の『「空気」の研究』(文春文庫)で述べられている「空気」を重要視しているとして、その理由を以下のように述べている。
『理由はマクドナルドにはターゲットがないからです。年齢性別問わず全員がターゲットです。かつ、新商品やキャンペーンを常に実施して休めるタイミングもない。そうなると一つひとつのマーケティングも重要なのですが、マクドナルドに対する全体的なイメージがより大事になります。「何か楽しそう」「行ったら何かあるかもしれない」という、その空気感を作ることが重要だと思っています』(日経ビジネスオンライン 2017年9月14日)
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