トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、1月9〜12日に米ラスベガスで開催された国際家電見本市(CES)において、コンセプトカーである「e-Palette Concept」を発表した。
コンセプトカーとは自動車メーカーが展示目的で生産したクルマのことで、モーターショーをはじめとする見本市で公開されることが多い。現実離れしたクルマを展示するケースもあるので、コンセプトカーの全てが重要というわけではない。
ただし、今回発表されたトヨタのコンセプトカーは、同社の「次世代車戦略」において重要な役割を果たす可能性が高い。このクルマを見れば、トヨタが今後、どのような展開を狙っているのか、ある程度推測することができる。
「e-Palette Concept」は箱形のボディーに4輪もしくは8輪のタイヤを備えた自動運転対応のEV(電気自動車)で、実際に出展された車両は全長4.8メートル、全幅2.0メートル、全高2.3メートルだった。最大の特徴は、多目的に使えるよう柔軟な設計が採用されていることと、各種ITサービスとの連携が当初から想定されていることである。
自動運転車が普及した場合、クルマが所有するものから利用するものへとシフトすることはほぼ確実といわれる。また、部品点数が少ない電気自動車の場合、クルマの製造コストが大きく低下する。高額な自動車の販売によって利益を上げてきた自動車メーカーとって、新しい市場環境の中でどのように利益を上げるのかは重要な課題といってよい。
「e-Palette Concept」はこうした時代にふさわしく、クルマを利用することにフォーカスした製品である。クルマの利用というと最初にイメージされるのはライドシェアだが、トヨタは今回の開発にあたって米Uberと中国の滴滴出行をパートナーに選定している。つまりライドシェアとしての運用が大前提になっているのだ。
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