沖縄の葉野菜不足を解消できるか? 沖縄セルラー子会社が目指すもの地元の産業育成(2/4 ページ)

» 2018年02月08日 07時00分 公開
[おきぎん経済研究所]
株式会社おきぎん経済研究所

――葉野菜を作る植物工場をこれからも増設する予定ですか?

 昨年は異常気象で葉野菜がなく、流通業者さんより私どもに葉野菜を提供できないかとの依頼があったのですが、葉野菜の植物工場を今後増やす予定は今のところはありません。

 現在、私どもは自治体にインキュベート型の賃貸植物工場の建設を働きかけています。農家さんをリサーチさせていただいた結果、建物を含めて1000万円を超える投資額は厳しいという意見が多く、そこで工場を区切って農家さんに手頃な価格で賃貸していただき、当社のノウハウが詰まったシステムをご利用していただきたいと考えています。

 季節的な野菜は路地栽培し、植物工場での野菜栽培と併用していただくことで収入の安定と増収が図れます。

 また、離島での植物工場導入を働きかけています。昨年は南大東島で1350円のレタスを目の当りにしたのですが、島では2週間、船が運航しなければ生鮮野菜はなくなり、冷凍野菜を食べなければなりません。そこで、コンテナ1つの植物工場があれば、1200〜1300人規模の人口では2日に1回くらいは新鮮な野菜が食べられるようになります。

 私どもは、このような農業支援と離島生活の格差を解消できるような提案を現在行っています。

イチゴ栽培も

――葉野菜以外の植物工場をこれからも展開する予定はありますか?

 第3、第4の植物工場という意味では、現在、イチゴの植物工場に取り掛かっています。

「美ら島ベリー」の事業計画 「美ら島ベリー」の事業計画

 イチゴはほぼ100%県外移入であり、今回、日清紡ホールディングスさんの技術提携を受けて、大宜味村の賃貸工場を利用し、イチゴを生産することになりました。工場内の300坪を利用して2万株のイチゴを栽培し、来年5月の収穫を目指しています。既に「美ら島ベリー」というブランド名も決まっています。

 日清紡ホールディングスさんとの技術提携できた理由は、沖縄の市場と、海外市場への展開が見込めたからです。

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