「翼システム」破産 「カーコンビニ倶楽部」旧運営元事業拡大が裏目に

» 2018年02月15日 14時48分 公開
[ITmedia]

 帝国データバンクによると、2007年まで自動車修理・整備チェーン「カーコンビニ倶楽部」を運営していたソフトウェア開発会社「翼システム」(東京・江東区)が2月6日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。「カーコンビニ倶楽部」は現在、別の会社が運営している。

 負債総額は数十億円に上る見込みだが、詳細は現在調査中という。

photo 「翼システム」の公式Webサイト

 1973年12月創業。当初はソフトウェア開発・販売業者として、自動車整備業や板金塗装業向けの業務用アプリ「スーパーフロントマン」の全国展開を担っていた。

 99年には所得隠しが発覚、社長らが法人税法違反容疑で逮捕・起訴され有罪判決を受ける事態も起きた。00年に関係会社を通じて「カーコンビニ倶楽部」の展開を始め、01年には中古車情報誌「カッチャオ首都圏版」を創刊。03年3月期は約565億円の売上高を計上していた。

 しかし、新規事業の展開や企業買収をハイペースで進めた影響で有利子負債がふくらみ、「カーコンビニ倶楽部」でのリース取引に問題が指摘されたことを機に業績は急速に悪化。05年3月期の売上高は約346億円に落ち込んだ。

photo 現在の「カーコンビニ倶楽部」公式Webサイト。「(翼システムは)当社の運営とは一切関係ございません」とある。

 「カーコンビニ倶楽部」を他社に譲渡するなど事業の縮小を図っていたが、財政状況を立て直せず、近年は実質的な活動を停止していた。破産を申し立てた債務者との係争状態が続いていたが、結論が出たため今回の措置に至ったという。

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