タクシー会社の三和交通は2月20日、ドライバーが歌舞伎役者の後見役「黒子」の衣装を着用して運転するサービス「黒子のタクシー」を始めた。ドライバーは目的地の指定など必要最低限の会話以外は一切言葉を発さず、筆談で対応する。車内での会話を嫌う人のほか、日本文化に親しみたい訪日外国人が主なターゲットだ。
安全を期すため、ドライバーは頭巾の布を上げて運転するが、基本的に素顔を見せず「黒子」に徹する。「ご乗車ありがとうございます」などのあいさつも筆談で行う。
一方、乗客へのサービスは充実しており、洗車や点検を徹底するほか、車内で水、折り畳み傘、マスクなどを販売。言葉は発さないが、記念撮影にも応じるという。
三和交通は「通常のタクシーでは乗客とドライバーが口論になるケースもあるが、このサービスの利用者には楽しんでもらいたい。訪日外国人向けの新しい“おもてなし”の形として訴求し、外国人客を獲得する狙いもある」(統轄本部)と説明する。
「ユニークな取り組みを行うことで知名度を高め、若い人に当社の魅力をアピールするのも目的の一つだ。『黒子のタクシー』をきっかけに若手ドライバーを獲得し、人手不足解消につなげたい」(同)という。
予約は専用の申し込みフォームから受け付ける。利用料金は、通常のタクシー運賃+310円。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング