JR東海は3月22日、東海道・山陽新幹線の次期営業車両「N700S」にリチウムイオン電池を搭載し、自走するシステムの走行試験を9月から始めると発表した。災害時などにトンネル内停車などを余儀なくされた際、架線からの電力を使わず自力走行で安全地帯に移動するための技術という。
通常走行時に架線から得た電力を、先頭車両下部に搭載したリチウムイオン電池に充電し、有事に使用して自走する仕組みだ。走行速度は低速となる予定だが、トンネル・橋梁からの脱出のほか、車両の検修や整備作業などへの活用を視野に入れている。
N700Sの先頭車両はN700系をベースに空力性能を高め、新幹線で初めてLEDライトを採用する予定。各車両には高性能かつ軽量の台車を使用し、集電性能の高いパンタグラフも備えるという。台車振動検知システムや停止距離の短いブレーキシステムも搭載し、安全性を高めるとしている。
こうした基本性能の試験は3月20日から既に開始。バッテリー自走試験以外にも、8両編成での走行試験(10月頃開始予定)、長期耐久試験(10月以降開始予定)などを経て、2020年度をめどに実用化する計画だ。
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