熊本市、マイクロソフトと連携し「働き方改革」 AIが助言も費用は5年間でおよそ47億円

» 2018年04月03日 17時01分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

 熊本市は、日本マイクロソフトと連携し、市職員と市立学校の教職員、計1万2500人の働き方改革を推進する。プロジェクトでは「Microsoft 365」やAI(人工知能)などを活用することで、業務効率化や残業削減、市民サービスの向上などを目指す。

phot 左から日本マイクロソフトの平野拓也社長、熊本市の大西一史市長

 市は、クラウド対応の「Office」などをセットにした「Microsoft 365」を、全市立小中高(136校)は教育機関向けの「Microsoft 365 Education」を導入。クラウドシステムを活用することで業務の効率化や残業の削減を図る。また。行政のIT基盤をクラウド上に構築することで、さらに災害に強いインフラ整備にも取り組む。

 AIがデータを分析して導き出した「助言」も参考に、業務改善に取り組む。例えば、同じメンバーと同じ会議に何度も出席していると「業務を分担した方がいいのでは」などと非効率的な会議の削減を促す──といった形だ。

 関連費用は5年間で約47億円を見込む。

 熊本市の大西一史市長は「働き方改革を正しい方向に進め、復興も加速させたい。このプロジェクトで成果が出せれば、他の自治体や民間企業の参考にもなるのではないか」と述べた。

 日本マイクロソフトの平野拓也社長は「サービスやデバイスの提供だけではなく、蓄積してきたノウハウや経験を活かしつつ、熊本市と連携し同市の働き方改革を進めていきたい」と語った。

 日本マイクロソフトは2016年4月に発生した熊本地震後、市にサービスやデバイスなどを無償提供する形で復興支援を行ってきた。市はこの経験を通じ、クラウドシステムなどを活用する重要性や有効性を確認。新プロジェクトの検討に至ったという。

phot 平野社長と大西市長の間にいるのは、熊本市のゆるキャラ「ひごまる」

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