ただ、そんな小ジジイたちも社内では期待通りの評価が得られていません。
「属性・肩書」好きの小ジジイたちは、もっと周りから「すごいね〜」と称賛される肩書が欲しい。意識タカスギ君は、「プロジェクトリーダー」「海外支店転勤」「最年少課長」といった目立つ肩書を手に入れ、「オラオラオラ、これが目に入らぬか〜!」と見せびらかしたい。口だけ番長は、もっともっと出世して「部長」「役員」「常務」といった肩書を手に入れ、同期や同級生より上に立ちたい。
ところが、残念なことに上司や会社は、ちっとも評価してくれないのです。そりゃあそうです。「意識」ばかりで「行動」は伴っていないわけだし(→意識タカスギ君)、「過去」の話で「今」は死んだふりしているわけだし(→口だけ番長)、評価されるわけない。そんなめでたい会社があったら、私が就職したいくらいです。
いずれにせよ、意識タカスギ君も口だけ番長も、自己評価と他者評価とのギャップに自尊心が揺らいでいます。その揺らぎを食い止めるために、自己防衛的に新入社員に偉そうな態度をとってしまうのです。
自尊心とは「自我(自分が考える自分)に対する自己評価」です。自尊心は他者からの評価で高まったり、低下したりしますが、他者からの評価に左右される度合いが高い人ほど、属性や肩書を気にする傾向があります。つまり、“小ジジイ”とは、他者から評価されるため“だけ”に生きている残念な人たちなのです。
そんな小ジジイたちでも、全てを脱ぎ去り、“裸”で新入社員と向き合えば、「意識タカスギさん! オレ、絶対ついていきます」「口だけ番長さん! お父さんみたいで好きです」なんて、微妙な褒め言葉で慕ってくる若手が出てくるはずなのです。
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