オリックスは4月18日、旅行中の外国人観光客向けに、観光情報などを多言語で提供するサービスを開始すると発表した。旅行中に必要な情報を検索しなくても、観光スポットなどに設置されているプレートにスマートフォンをかざすだけで、自国語の観光案内サイトを表示できる。まず、全国30カ所の自治体でサービスを展開し、9月末までに70カ所に広げる。
旅行中にスマホで観光地や飲食店などの情報を検索することが一般的になった。一方、自治体などが運営する観光案内サイトは、自治体ごとに仕様が異なる上に、言語を選択したり、サブメニュー画面を開いて目的の情報を探したりする手間がかかる。
オリックスは自治体や観光協会などと連携して観光案内のWebサイトを制作。情報の並べ方など、画面のフォーマットを全て統一する。トップ画面から、「観光地」「グルメ」「ショッピング」などのボタンをタッチするだけで、目的の情報を表示させることができる。
観光スポットなどに設置されるプレートから、QRコードやNFC(双方向近距離通信)を使って、スマホをかざすことでサイトを表示させる。その際、スマホの言語設定を自動的に読み取り、直接自国語のサイトに接続できる。そのため、サイト上で言語を選択する必要がない。各自治体が整備している言語に対応可能で、それ以外の言語設定だった場合は英語サイトが表示されるという。
プレートは各自治体に50〜200枚程度配布する。空港や駅、観光施設、宿泊施設などへの設置を想定している。すでに全国で約500枚を設置しており、9月末には5000〜1万枚になる見通しだ。
同社オープンイノベーション事業部長の藤井哲哉氏は「実証実験の結果、観光客が困っていたり、時間を持て余して滞留していたりする場所でタッチされる回数が多い。そういった場所に設置してもらいたい」と説明する。200枚を設置している九州では、サイト接続回数が多いプレートの設置場所が、福岡空港の観光案内所、佐賀県嬉野市のバスターミナルの時刻表、福岡市・天神の観光案内所だった。
自治体には無償でサービスを開放し、観光関連事業者から広告費などを得る。サービスによって得た観光客の行動分析結果などを自治体に情報提供し、観光消費の活性化に貢献する。
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