KDDIの高橋誠社長は「通信とライフデザインの融合を進めたい」と繰り返した。ただ、「主力事業を通信事業から他事業にシフトするのではなく、あくまで通信事業を根幹に据えつつauユーザーに付加価値のあるサービスを提供していく」(同)という。
具体例としてインターネット通販(EC)サイト「Wowma!」や「じぶん銀行」「auでんき」「auほけん」、17年11月に買収したイーオンホールディングス(HD)が手掛ける英会話教室「イーオン」などを挙げ、「生活のあらゆるシーンでの顧客接点を拡大したい」と話した。
高橋社長は4月の就任会見で、年内にもQRコード決済を始めることを発表し、普及に向けて「LINE Pay」「メルペイ」をそれぞれ展開するLINEやメルカリと協力する案を打ち出していた。決算会見でもその姿勢は変わらず、「同じビジョンを持つLINEやメルカリと一緒に加盟店を開拓したほうが効率が良いと捉えている」と展望を話したが、具体的な交渉の進捗状況についてはコメントを控えた。
SBGの孫正義社長は過去の決算会見に続き、同社を戦略的持ち株会社とし、業界トップクラスの事業会社を抱える「群戦略」を進めると強調した。その理由は「ソフトバンクを300年成長し続ける企業集団とするため」(孫社長)。
その戦略の根幹となるのが、テクノロジー分野に投資する10兆円規模のファンド「SoftBank Vision Fund(SVF)」だ。18年3月期の決算では、米NVIDIA株が大きく上昇するなど投資先の市場価値が向上し、SVFが3030億円の事業利益を生み出したことが営業増益に貢献した。
今後は「米Yahoo!と手を組んで日本のヤフーを生み出し、本家を超える企業価値を築いたのと同じ手法をSVFでも用い、最先端のビジネスモデルを日本に持ち込む」(孫社長)という。すでに投資先でワークスペース運営の米WeWorkとの合弁で、日本法人の「WeWork Japan」を設立。国内にワークスペースをオープンしている。
こうした取り組みにより、「SVFが19年3月期に生み出す利益は、前期を大きく上回るだろう」と孫社長は自信を見せた。
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