ファミマがエアビーとタッグ、訪日客に照準コンビニ、民泊パワーでインバウンドを取る(1/2 ページ)

» 2018年05月21日 15時10分 公開
[服部良祐ITmedia]

 ファミリーマートと宿泊施設仲介サイトのAirbnb(エアビーアンドビー)がタッグを組む。Airbnbの利用者(ゲスト)の宿泊先の鍵をファミマの店舗で受け渡しできるようにするほか、ゲスト向けの商品やサービス開発にも取り組む。狙いは民泊の主要ユーザーである訪日客。鍵の受け渡しをきっかけに外国人客を店舗に呼び込む。

 コンビニ各社は民泊のゲスト向けの鍵受け渡しサービスに相次ぎ参入している。民泊を全国で解禁する住宅宿泊事業法が施行される6月15日以降、小売り業界のインバウンド争奪戦がさらに過熱しそうだ。

photo ファミマとエアビーが異業種タッグ

コンビニで民泊の鍵を受け渡し

 ファミリーマートは6月15日以降、店舗に鍵を受け渡しできる専用ボックスを設置する。既に東京など4店舗で実験しており、都心部を中心に今年度は150店に拡大する。民泊の家主(ホスト)はまず鍵を近くのファミリーマートの店舗にあるボックスに預ける。Airbnbのサイトで宿泊先をあらかじめ予約してきたゲストは、店でボックスに併設されたタブレットを操作。情報を入力して鍵を受け取る。チェックアウトした後に店を訪れて鍵をボックスに入れる仕組み。

 ファミリーマートは「ホストは1回、ゲストは2回必ず来店する。ファミマの店舗がホストとゲストの“ハブ”になる」(同社の担当者)と説明する。実際、実験店舗では鍵の受け渡しに来た人1人当たり800円程度を使ったというデータもあり、「売り上げに寄与すると期待している」(担当者)。

 基本的にゲストがタブレットを操作するだけ。トラブル時にはゲスト自身がタブレットから民泊の代行業者や24時間対応の多言語のコールセンターに連絡するため、店員の負担にはほとんどならないという。ほかにもファミリーマートとAirbnbが相互に宣伝しあったり、ファミリーマートが訪日客向けの日用品や中食向け商品、観光サービスなどの開発を予定する。

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