住宅ローンを含む米国の不動産ローンは物件に対して融資されるケースが多い。米国のローンの多くは、借り手がローンを返済できなかった場合、物件を銀行に明け渡すだけでよい契約となっている(ノンリコースローン)。家を手放してしまえば、借金からは開放され、たいていの場合、自己破産する必要もない(その分だけ金利は高い)。
これに対して日本の不動産ローンは「物件」ではなく「人」に対して行われる。従って、ローンが返せなくなり、家を失ったとしても、自己破産しない限りは、借り手は、自らの稼ぎの中から延々と返済を続ける必要がある。
アパートローンも同じで、貸し手(つまり銀行側)は借り手が考えるほど、物件の善し悪しを判断していない。特にスルガ銀行はその傾向が顕著だった可能性が高いと考えられるのだが、この場合、貸し手が重視するのは、借り手の「属性」である。
属性というのは不動産業界の用語で、借り手の資産額や勤務先、年収のことを指している。つまり社会的立場や経済力のことである。
公務員や上場企業の社員など、それなりの年収と雇用が保障されている人は属性が高いと認識され、融資の審査が通りやすくなる。これだけを聞くと、当たり前のことと思うかもしれないが、この属性という言葉にはもう少し嫌らしい意味がある。
例えば2000万円の貯金を持つ年収900万円の中小企業の社員と、貯金ゼロで年収650万円の大手企業の社員では、恐らく貯金ゼロの大手企業の社員の方が属性がよいと判断される(これが米国であれば、まったく逆に判断されるだろう)。その理由は、大手企業の社員や公務員は、世間体を過剰に気にすることを銀行側がよく知っているからである。
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