5月下旬、あるステーキ店がSNS上で注目を浴びた。
埼玉・春日部にニューオープンした「カミナリステーキ」が、全国で店舗網を拡大中の「いきなり!ステーキ」をパクったのではないかという「疑惑」をかけられたのだ。
そんな話、日本中にゴロゴロしているだろと思うかもしれないが、なぜこの「疑惑」が注目されたのかというと、「カミナリステーキ」の運営元が、多くの外食チェーンを展開する居酒屋業界トップ・モンテローザだったからだ。
ご存じの方も多いと思うが、同社の運営する居酒屋チェーンは他社が運営する人気店とよく似た名前、よく似たコンセプトになっているという指摘が多く、一部では「対照表」もつくられているほどなのだ。
例えば、同社のメインブランドともいうべき「魚民」は、ワタミフードサービスの「和民」と1文字違い。「月の宴」「月の花」も、隠れ家風個室居酒屋ブームに貢献した三光マーケティングフーズの「月の雫」と1文字違いだ。「山内農場」は、地鶏料理を打ち出す「塚田農場」とビミョーにカブっている。また、2013年5月から東京、静岡、山梨で展開する「俺の串かつ黒田」は、「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」と「串カツ田中」を“合体”させたものではないかなどとネット上ではまことしやかにささやかれているのだ。
筆者は、居酒屋市場を長くけん引してきた業界のリーダー的存在のモンテローザが、他社の「パクリ」などするわけがないと信じている。
ただ、こういう「疑惑」が指摘されているのも事実ではあるので、そのあたりはぶっちゃけどう受け止めているのかはぜひ知りたい。そこでモンテローザへ取材を申し込むと、程なくして同社総務企画課から非常に丁寧なお断りのメールが返ってきた。
「弊社は、出店戦略等については一切開示いたしておりません。一部の質問にコメントすることも誤解を与える可能性もあります」
お話を伺えないのは残念でしょうがないが、その一方で、このテーマについての言及を控えたいという気持ちもよく分かる。いまの外食産業を見渡してみると、「パクリやがって!」「おかしな言いがかりをつけるな!」というトラブルが続発しているからだ。
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