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社内の人間が「褒め合う」には、どうすればいいのか社内報を活用せよ(4/4 ページ)

» 2018年07月06日 08時11分 公開
[常見陽平ITmedia]
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「褒める仕組み」を定着させる

 とはいっても、いきなり「褒めろ」と言われても、困ってしまう人もいるはず。上っ面の褒め方では、かえってバカにしているように感じてしまうかもしれない。褒める側も、褒められる側も照れてしまうこともあるだろう。だから、前述したような「褒める」の「制度化」は実に有効な手段なのだ。

 「褒める」ためには、そのキッカケも必要である。意外に使えるツールが社内報だ。社内報があることにより、他の社員に話しかけるキッカケが生まれるのだ。またまたリクルートの話になってしまうが、同社は創業3年目で社内報を発行している。現在もさまざまな社内報、部内報が存在していて、社員間の相互理解の場という機能は、創業当初からブレていない。ちなみに、初期の社内報で人気があったのは「リクルートマン切り捨てご免」という人物紹介記事だったという。

 当時、その記事を読んだ社員は「Aさんって、学生時代に世界一周をしたそうよ。今度、アメリカの話を聞いてみようよ」「Bさんって、高校時代に野球をしていて、甲子園に出場したそうよ。今度、当時の話を聞かせてもらおうよ」といった話題で盛り上がっていたかもしれない。社内報を読むことで、自然と会話が生まれ、そこから「褒め合い」が生まれていたのだろう。

 今回はリクルートの文化を紹介したわけだが、他社の事例もそれほど違いはないはず。「ダメ出し」ではなくて、「ポジ出し」をするために、さまざまな工夫の跡がうかがえるはずだ。自社に適した「仕組み」を探して、それを定着させることが必要なのである。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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