さて第6世代のデビュータイミングでマツダの各車を並べてみよう。
この中でCX-5は17年2月にすでに2代目にスイッチされており、つまりは現在のマツダのラインアップ上ではアテンザが最古参ということになる。
さらに、マツダでは第7世代の開発がすでに進んでおり、恐らくは年明けくらいに、第7世代の嚆矢(こうし)としてアクセラが登場することになるだろう。そういうタイミングでどうしてアテンザはフルモデルチェンジではなく、大幅改良が行われるのかと言う疑問は筆者も感じたし、読者諸兄も同様に思われるだろう。
端的に言えば、マツダが現在置かれている現状がそうさせると言うことになる。第6世代戦略がスタートした12年の決算を見ると、マツダのグローバル販売台数は124万7000台だったが、18年には163万1000台と38万4000台も増えている。31%も販売が伸びれば生産が追いつかなくなるのは当然で、それが吸収できるようならそれまで生産余力が過剰だったと言うことになる。14年から稼働し始めたメキシコ工場の生産キャパシティは25万台なので、以前から稼働中の工場を含めても、すでに生産余力は使い切っている。
18年1月に、マツダはトヨタと合弁で米国アラバマに新工場を建設することを発表した。この工場の生産キャパシティは30万台で、計画ではトヨタとマツダがそれぞれ15万台ずつイーブンでシェアする。マツダのリリースによれば「マツダが北米市場に新導入するクロスオーバーモデルとトヨタのカローラを15万台ずつ生産」とある。日本や欧州で売るモデルをわざわざアラバマで作る意味はないから、これは当然北米向け商品の生産拠点となるはずだ。
もうひとつ考慮しなくてはならない問題がある。マツダは18年決算で、基本アーキテクチャーの上下分離を発表した。これはデミオとCX-3、アクセラを中心としたスモール商品群120万台とCX-5以上のラージ商品群80万台を合わせて総販売台数を200万台のレベルに引き上げるという戦略だ。
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