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» 2018年08月16日 07時20分 公開

真夏のコンビニ中華まん 熱き「ふんわり」VS「もっちり」バトル原点回帰か本格路線か(2/2 ページ)

[服部良祐,ITmedia]
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最初はメーカーが生地を寝かせられずふんわりに

 そもそも、中国や日本の中華街などで食べられる“本場”の中華まんの生地はもっちりが主流。生地をもっちりとさせるにはあらかじめ一定時間寝かせて発酵させることが必要で、寝かせないとふんわり寄りの食感になるという。

 コンビニ各社は井村屋などの食品メーカーに中華まんの生産を委託している。ただ「中華まんを生産するメーカーはもともとアイスなど別の食品が専門だった場合が多い。生地を寝かせる作業はとても繊細で専用の設備もいるため、生産を始めたばかりの段階では難しかったのではないか」(内堀さん)。

 結果、コンビニ中華まんの黎明期では本格中華風のもっちりでなく、生地をあまり寝かせないためふんわり食感になった中華まんがコンビニで売られるようになったと内堀さんはみる。ただ、その後はコンビニ・メーカーともに技術力が上がって生地の配合や寝かせる工程も工夫できるようになり、本格的なもっちり食感の中華まんも登場してきた。

photo セブン-イレブンの「本格ジューシー肉まん」(税込128円)

 一方、セブン-イレブン・ジャパンは今回刷新した中華まんについて「もっちりしつつふんわり感も両立させた」と表現する。一見矛盾しているようだが、同社の担当者によると「手包みの品質に近い形で餡を包む」製造ラインを新たに導入。生地に与えるストレスを減らし、くちどけの部分はふんわりとさせたという。

 同社の担当者は「現場から『もっちりも良いがふんわりとした食感もあると良い』という声が上がっていた」と明かす。前年でもうたっていたもっちりの食感を維持しつつ、今回はふんわりの要素も打ち出す。

photo セブン-イレブンが今回採用した中華まんの新製造ラインの仕組み。手包みに近い品質で餡を包めるという

 残るファミリーマートはまだ新作中華まんの発表を行っていない。ただ、発酵回数を増やすなど工夫した「生地だけ食べてもおいしい」もっちり路線を17年度版に引き続き取るとみられる。「いいとこ取り」なセブン-イレブン・ジャパンを含め2社がもっちり派の中、ローソンが明確にふんわりのみを打ち出した格好だ。

 コンビニ各社の思惑が入り乱れる中華まんのふんわりVSもっちり。ただ、ローソンの内堀さんは「人は接触頻度の高い物をおいしいと思う。日本の消費者は何十年もコンビニで中華まんを食べてきた。マーボー豆腐でも本格四川風より日本の市販品の味を好む人が多いように、中華まんでも昔から食べ慣れている(ふんわり)食感を再現した方がいいと考えた」と明かす。

 内堀さんによると、小売りやメーカーは技術が進歩するとどうしても「本場の味」を目指しがちという。「中華まんでも技術が先走り、『中国のオリジナルの味を目指したい』という開発側のエゴが少し出ていたように思える」。

 消費者ニーズに合わせた原点回帰か、あくまで本場にこだわった食感か。残暑の中、コンビニの店頭で中華まんを巡る熱き戦いのゴングが鳴る。

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