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» 2018年08月21日 15時26分 公開

破たん相次ぐP2P金融:中国「金融難民」の怒り爆発、P2P業者の破綻急増 (1/2)

中国で、個人投資家から資金を集め、小規模な企業や個人の借り手に融資して高いリターンを約束するP2P金融業者の破たんが相次いでいる。

[ロイター]
photo 8月12日、中国の首都北京で、個人間で資金を融通する「ピア・ツー・ピア(P2P)融資」サイトに投資して損失を被った人たちが抗議行動を計画。だが、予定地にたどり着いた参加者は、破綻したP2P金融企業数百社の救済を政府に要求するまもなく、強制的にバスに乗せられ、北京郊外にある抗議参加者用の収容所に運ばれた。写真は抗議活動を見張る警察官(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 12日 ロイター] - 8月6日未明、自宅で寝ていたピーター・ワンさんは、訪れた警察官に拘束された。この日予定されていた抗議行動を計画したとの容疑である。

北京市内の各地で、他にも同じように抗議行動に参加しようとして警察に逮捕された人がいる。いずれも、個人間で資金を融通する「ピア・ツー・ピア(P2P)融資」サイトに投資して損失を被った人たちだ。なかには、はるばる山東省や山西省から北京まで来た人もいた。

彼らが釈放されるころには、北京の金融中心部にある中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)本部の周辺では、ソーシャルメディア上のチャットグループのなかで計画されたデモが、厳しい警備によって不発に終わっていた。

P2P投資家2人によれば、抗議行動が予定されたエリアにたどり着いた参加者は、破綻したP2P金融企業数百社の救済を政府に要求するまもなく、強制的にバスに乗せられ、北京郊外の久敬荘にある抗議参加者用の収容所に運ばれたという。

「身分証明書をチェックし、抗議用プラカードなどを見れば、自分の権利を主張するためにその場所に来たことが警察に分かってしまう。そして、すぐさまバスに押し込められた」とワンさんは言う。

自動車修理工場で働いているワンさんは、釈放された後、北京市内の別の場所で行われた小規模な抗議行動に参加した。「どんな問題にせよ、解決のためのルートがない。政府が気にしているのは、とにかく混乱を予防することだけだ」

中国のP2P金融産業の規模は他国すべてを合わせたよりもはるかに大きい。深セン市銭誠互聯網金融研究院が運営するデータ提供サイト「第一網貸(P2P001.com)」によれば、融資残高は1兆4900億元(約24兆円)に達するという。

P2P金融は、個人投資家から資金を集め、小規模な企業や個人の借り手に融資して高いリターンを約束するもので、中国では2011年、ほぼ規制のない状態で始まって盛んになった。ピークとなった2015年には、こうしたビジネスが約3500社を数えた。

だが、中国政府が国内の肥大化したノンバンク融資セクターを含む債務バブルの抑制と経済のリスク低減を目指すキャンペーンを開始した後、投資家が資金を引き揚げ始めたことにより、ほころびが目立つようになった。

やはりP2P金融のデータを提供しているサイト「網貸之家(wdzj.com)」によれば、6月以来、オンライン金融サイトの運営企業243社が破綻したという。網貸之家によれば、この業界では同じ時期、月間での資金収支が初の純流出となっており、少なくとも2014年以降では初めてのことだという。

予定されていた抗議行動へと至る最近の投資家からの怒りは、6月30日を前に燃え広がった。この日は、各社が新たに設定された商慣行基準を達成する期限とされていたが、基準そのものが未完成である。

オンラインで小額融資サービスを提供している信而富のゼイン・ワン最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、多くの事業者が厳格化された規制に取り組むよりは廃業することを選んだと語る。

これはP2P金融市場全体にパニックを引き起こした。投資家はP2P金融企業から資金を引き揚げようとし、ワンCEOによれば、大規模な事業者の対応はマシだったものの、小規模な事業者の多くは流動性不足に陥ったという。

「この混乱を経て勝者として抜け出すサイトもあるだろうが、恐らく大部分のサイトは立ち直れないのではあるまいか」と彼は言う。

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