ドンキは、衝動買いを誘発する魅力的な商品開発と、天井まで商品を高く積み上げ、あえて見通しを悪くする「圧縮陳列」と呼ばれる独特の店舗運営手法で急成長した小売業界の異端児である。18年6月期の決算で29期連続の増収増益を達成しており、19年6月期には売上高1兆円を見込んでいる。
だが、1兆円規模の小売業になると、どこに行っても店舗を見掛けるレベルになってくる。奇をてらった独特の店舗展開だけでは、ここからさらに大きな成長を実現することは難しい。
すでに同社は、スーパーだった店舗を居抜きで借り上げ、自社店舗として新規出店したり、総合スーパーの「ユニー」などを傘下に持つユニー・ファミリーマートホールディングス(ユニファミマHD)と資本提携を行い、スーパーの店舗を軸にした新しい事業展開にかじを切り始めたりしている。
こうした一連の流れを考えれば、業績が低迷しているとはいえ、良好な立地に店舗を構える西友に関心を寄せるのは当然の結果といってよいだろう。
西友はウォルマート傘下で業績を拡大することができなかったため、店舗の改装など新規投資を積極的に行っていなかった。このため西友の店舗は、立地はよいが設備面での不備が目立っていたといわれる。だが独特の店内レイアウトを得意とするドンキであれば、店舗が老朽化していることはあまりマイナスにはならない。
西友の売却金額は数千億円とも言われているが、良好な立地を考えた場合、安い買い物になると判断したものと思われる。
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