東京モーターショー(TMS)の地盤沈下はもはや誰の目にも明らかだ。来場者数は54年の第1回が最少かと思いきや、そうでもない。ちょっと一覧にしてみよう(参考リンク)。
入場者ワースト10
順位 | 回数 | 西暦 | 出展社数 | 出展車数 | 入場者数 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 第34回 | 2000年 | 133社 | 248台 | 17万7900人 |
2位 | 第36回 | 2002年 | 110社 | 224台 | 21万1100人 |
3位 | 第38回 | 2004年 | 113社 | 206台 | 24万8600人 |
4位 | 第5回 | 1958年 | 302社 | 256台 | 51万9400人 |
5位 | 第4回 | 1957年 | 278社 | 268台 | 52万7200人 |
6位 | 第1回 | 1954年 | 254社 | 267台 | 54万7000人 |
7位 | 第3回 | 1956年 | 267社 | 247台 | 59万8300人 |
8位 | 第41回 | 2009年 | 128社 | 261台 | 61万4400人 |
9位 | 第6回 | 1959年 | 303社 | 317台 | 65万3000人 |
10位 | 第45回 | 2017年 | 153社 | 380台 | 77万1200人 |
入場者ベスト10
順位 | 回数 | 西暦 | 出展社数 | 出展車数 | 入場者数 |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 第29回 | 1991年 | 336社 | 783台 | 201万8500人 |
2位 | 第28回 | 1989年 | 338社 | 818台 | 192万4200人 |
3位 | 第30回 | 1993年 | 357社 | 770台 | 181万600人 |
4位 | 第16回 | 1969年 | 256社 | 722台 | 152万3500人 |
5位 | 第31回 | 1995年 | 361社 | 787台 | 152万3300人 |
6位 | 第32回 | 1997年 | 337社 | 771台 | 151万5400人 |
7位 | 第39回 | 2005年 | 239社 | 571台 | 151万2100人 |
8位 | 第15回 | 1968年 | 246社 | 723台 | 151万1600人 |
9位 | 第13回 | 1966年 | 245社 | 732台 | 150万2300人 |
10位 | 第12回 | 1965年 | 243社 | 642台 | 146万5800人 |
さて内実は、ワースト10の上から3つは商用車のみで行ったショーでちょっと別枠で考えた方が良い。さらにここからモーターショーのスタートアップ期で試行錯誤中かつ成長過程である50年代の記録を除外すると、17年は09年に続く2位となる。さらに言えば17年をピークの1991年と比べるかなり惨憺(さんたん)たるものだ。
336社→153社(45.5%)
783台→380台(48.5%)
201万8500人→77万1200人(38.2%)
あるいは、バブルとバブル直後のピーク値を別としても、2007年のリーマンショックまでは140から150万人の入場者数があり、それほど捨てたものでもなかったが、リーマンショックで海外メーカーの出展が激減し、そこから入場者数も半減している。
日本の自動車メーカーにとって運が悪かったとも言えるが、リーマンショックで米国の経済が大打撃を受け、代わって中国が統制経済のメリットを生かして、その恐慌からいち早く脱出し、大躍進を果たした。中国の自動車販売数は日の出の勢いで伸びるとともに、北米と経済的に密接につながっている日本の経済は大打撃を受け、市場は一気にシュリンクした。
結果として中国は年間3000万台と世界一の販売数に達し、日本は500万台市場の維持に汲々とする有様。海外メーカーがアジアのどこに販促予算を注ぎ込むかを考えれば販売規模が6倍かつ、いまだ成長中の中国に注力するのは当然の判断と言えるだろう。3000万台の販売台数はすでに全世界の新車販売の3分の1になんなんとする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング