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「上司のセクハラ」どうすれば撃退できる? 証拠集めから裁判まで徹底解説労働問題弁護士ナビ(1/4 ページ)

» 2018年09月15日 07時00分 公開
[アシロ]
株式会社アシロ

 上司からのセクハラは、労働問題の中でもよくある内容です。しかし、セクハラに関する明確な判断基準がないのが現状です。「何がセクハラなのか」という基準が明確でないことから、本人は不快でも泣き寝入りしてしまうこともありますし、セクハラしてくる人は悪気のないつもりでセクハラをしていることもあります。

 セクハラを根本からなくすことは難しくても、セクハラを防ぐための方法はあります。また、何らかの対策をしてもセクハラが行われるようであれば、「外部に訴える」という方法もあります。

 今回は、上司からのセクハラに対する対処法と、セクハラを訴える方法に焦点を当てて説明します。

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上司のセクハラには2種類

 セクハラは大きく分けて、2つに分かれます。性的な言動に対する相手の対応によって相手に不利益を与える対価型セクハラと、性的な言動を行うことで相手や周囲の職場環境を悪化させる環境型セクハラです。

 環境型セクハラは職場で話される雑談の内容に性的内容が多いなど職場の環境が大きく影響していますが、対価型セクハラは相手が性的な言動に対して拒否したことを理由に不利益を与える点で非常にひきょうな内容です。一般的に、上司のセクハラに悩んでいる方は対価型のセクハラを受けているということが多いようです。

 以下、詳しくみていきましょう。

対価型セクハラとは?

 会社内の立場を利用して、セクハラを拒否すると出世、給料、待遇などに影響を及ぼす恐れがあると思わせます。例えばお酒の席での“お酌”の強要や、昇格を手にとった性関係や愛人関係の強要、立場を利用した体を触るなどの性的な接触行為を指します。

 不快に感じる対象が上司個人になることが多く、立場や権限を利用されているので、受けた本人は社内の人に相談できず、友人や家族に相談するのみにとどまり、泣き寝入りしてしまうことが多くなっています。

環境型セクハラとは?

 環境型セクハラは、上司だけならず同僚、部下も含めた会社全体の環境がセクハラの要因になっているタイプです。休憩室で恋人関係や容姿に関するうわさ話をしたり、職場に水着やヌードなどのポスターを貼る、性的な冗談や容姿に関する会話をする、など。

 恋愛経験や結婚について訪ねたり、男性社員が無理やり風俗店に誘われるなども当てはまります。環境型セクハラでは仕事をしづらくなり、そのまま退職してしまうこともあります。

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