このように“むき出しの欲望”に忠実になることで急成長してきたともいえるドンキだが、近年は“マイルド化”しつつある。
例えば、「MEGAドン・キホーテ」はドン・キホーテとくらべ、生鮮食品の取り扱い量が多いのが特徴で、主婦層などに受け入れられている。また、子ども向け商品やキャンプ商品を多く扱う店舗は、ファミリー層でにぎわっている。成長を続けるには、従来のナイトマーケットだけでなく、一般客を取り込むことも必要だ。
また、他企業との提携も進めている。象徴的なのはユニー・ファミリーマートHDとドンキホーテHDが2017年に締結した資本・業務提携で、ドンキ流の手法を取り入れたユニーやファミマが次々と生まれている。例えば、18年6月にオープンしたファミリーマート立川南通り店(東京・立川市)はお菓子や日用品を幅広く取り扱っている。
このように、ドンキが急成長してきた背景にあるのは創業者自身の「ビッグな経営者になって、いつか見返してやろう」という“欲望”であり、その“欲望”を正直に見つめてきたからこそ、顧客の心をとらえることができたのだと感じさせるのが『安売り王一代』なのである。
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